どうも!がこないのクボタです。
今回は中学国語文法「品詞の分類」の第4回になります。ここは中学1年生の後半〜中2にかけて習うのですが、その後の用言の活用に向けての大切な基礎の部分になります。
今日のまとめを先にどうぞ。
形容動詞とは活用ありで言い切りが状態+「で」「です」
活用していたら、「元(言い切り)の形」に戻して形容詞かどうか判断する
形容詞をそのままの形で抜き出すとき、1単語で抜き出す
「〜だ」「〜です」は識別が必要(「〜な」に変えて判断する)
この単元の前に、「自立語と付属語」を完璧に抜き出せることが大前提となるので、そちらがまだ不十分な方は以前の記事をご覧ください。
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自立語と付属語の抜き出しは、結局文節・単語分けって話【中学国語文法】
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また、まだ10品詞の名前があやふやな方は、以前紹介した導入編をご覧ください。
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それではやっていきましょう。
形容動詞は活用ありで言い切りが状態+「で」「です」
それでは用言の3つ目、形容動詞に話を進めます。
なお今回も「言い切りとは?」「活用とは?」の説明は省略させていただきます。これら2点の説明が必要な方は、前回の動詞の記事をご覧ください。
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英語には「動詞」「形容詞」が出てきますが、「形容動詞」は出てきません。よって中学生の人は初めて聞く名前かもしれませんが、形容動詞も大雑把にものの状態や性質、人の気持ちを表すことが特徴です。
形容詞との違いは
言い切りが状態+「だ」「です」
と定義されている点です。ちなみに状態の部分は、あとからじっくりやるので心配しないでください。
例を挙げるとこんな感じ。
今日はとても穏やかだ。(「穏やかだ」が形容動詞)
彼は本当に誠実です。(「誠実です」が形容動詞)
この教室はいつも本当に綺麗だ。(「綺麗だ」が形容動詞)
「穏やかだ」「誠実です」「綺麗だ」、、、どれも状態を表す言葉ですが、全て言い切りが「だ」「です」で終わっていますよね?
よってこれらは全て形容動詞です。
それでは動詞の時と同じように、形容動詞に慣れるにはまず自分でいくつか具体例を挙げることです。それでは5個ほど形容動詞を挙げてみましょう。
できましたか? 解答例はこちら。
「正直だ」「華やかだ」「貧乏だ」「壮大です」「爽やかです」
形容動詞の活用の例
先ほど挙げた例は、全て言い切りの形です。このままの形で文章中に出てくれば簡単に見つけることができますが、多くの場合はこのままの形では出てくれません。
理由は動詞・形容詞の時と同じく、下に続く語や用法によって活用するからです。この活用ありという感覚は、後の「用言の活用」の単元で詳しく触れますので、今回は簡単に具体例をあげておきます。
こちらの図を見てください。
今まで日本語をネイティブとして使ってきた感覚のままで構いません。
形容動詞「綺麗だ」「綺麗です」を、以下に続く語にスムーズにつながるように活用させてみてください。
いいですか? 正式にはこのようになります。
実際の問題では「だ」「です」だけを探すのではなく、上のように様々な音に活用したとしても、形容動詞と答えられる準備をしておきましょう。
注意点を1つだけ。例えば「綺麗だった」というフレーズを見つけたとき、「綺麗だった」全てで形容動詞と答えてしまう生徒が非常に多いのですが、これは間違いです。
動詞・形容詞のときの繰り返しになりますが、品詞とは単語レベルの話です。「綺麗だった」を単語分けすると「綺麗だっ/た」つまり形容動詞の部分は「綺麗だっ」までとなります。(「た」は付属語で助動詞)
品詞名は必ず1単語で答える癖をつけておきましょう。
練習問題
では冒頭で触れたまとめの、3つ目までをもう一度ご覧ください。
形容動詞とは活用ありで言い切りが状態+「で」「です」
活用していたら、「元(言い切り)の形」に戻して形容詞かどうか判断する
形容詞をそのままの形で抜き出すとき、1単語で抜き出す
今ならこれらの意味が理解できますね?
それでは練習問題を2問ほど解いてみましょう。
基本問題
この文章の中には、形容動詞が活用された状態も含めていくつか含まれています。形容動詞がイメージできる部分を考えてください。ヒントは言い切りが状態+「だ」「です」として戻せる部分です。
答えはこちら
これは単純に状態+「だ」「です」をイメージできる部分が2箇所見つかりますね。「華やかな街で」と「心配です」の部分です。今回は元の形に戻して形容詞を答えるので、解答は「華やかだ」と「心配です」になります。
標準問題
次に入試レベルの標準問題を。
まずは先ほどの問題と同じように、元の形をイメージすると、形容動詞が2箇所見つかります。
ただし今回の問題文で気をつけてほしいのは、「そのままの形で抜き出す」点です。だから、活用された状態なら元に戻して考える点は先ほどと同じですが、元に戻した形のままで答えるとバツになってしまうのです。
きちんと文節、単語分けをして、1単語として形容動詞を抜き出すとこうなります。
どうでしたか? 特に後半の問題は、入試に出てもおかしくないレベルです。実際は中2の中盤で勉強する「用言の活用」の部分で、形容動詞の活用はもっと細かくやります。その知識によって、これらの抜き出し方はより正確になっていくので、安心してください。
引っかかりやすい「〜だ」「〜です」
最後に形容動詞を理解する上で、引っかかりやすいポイントを一つ。
それは、
全ての「〜だ」「〜です」が形容動詞とは限らない
という点です。
「状態」に「だ」「です」がついた時だけが形容動詞と説明しましたが、当然「状態」ではない語も存在します。
例えば、
私は中学生だ。
の「中学生だ」の部分。これは形容動詞ではありません。 「中学生」という人を表す名詞に、断定を表す付属語(助動詞)「だ」がついているだけなのです。
つまり、先程の「綺麗だ」ならば形容動詞なのに対して、「中学生だ」は「名詞」+「助動詞」という品詞の分類になります。
大雑把な状態かそうでないかのイメージは分かりましたが、じゃあどこまでが「状態」で、どこからが「名詞」なのか。人によっては曖昧に思うでしょう。
例えば次の「〜だ」の一覧を見てください。これは「〜です」の場合も同じ説明になります。
形容動詞のものには(ア)、名詞+助動詞のものには(イ)をつける問題ですが、状態かどうかで判断します。
と言われても、例えば「臆病」なんて言葉は状態にも見えますが、抽象的なものとしても使えそうだし迷いますよね?
そこで昔から定番の見分け方を紹介します。
「だ」「です」を「な」に変える
自然につながれば形容動詞(1単語)
不自然なら名詞+他の付属語(2単語)
状態かどうかは「〜な」とすることで見分けることができます。先程の「臆病だ」を例に取ると「臆病な」、つまり「臆病な人」「臆病な性格」のように自然に繋がりますよね? よって「臆病だ」は1つの形容動詞になります。
今のやり方を先程の問題で当てはめるとこうなります。
文法的な言い方をすれば、「〜な」とは形容動詞の活用の一部なんです(連体形)。だから形容動詞は「な」に変えても崩れないんですね。
また、今回の見分け方が単語分けでも使えます。単語分けの講座では「分ける」「分けない」としか教えませんでしたが、今回で品詞名が明らかになりました。形容動詞になるものは当然1単語、名詞+「だ」となるものは2単語扱いしてください。
ちなみに「〜だ」「〜です」以外にも「〜で」となる語も同様の見分けができます。ただし名詞+「で」となった場合(つまり「な」の見分けで不自然になった方)の「で」は、助詞扱いになるので注意してください。単語で分かれるのは同じです。
まとめ
それではもう一度冒頭のまとめを見ておきましょう。
形容動詞とは活用ありで言い切りが状態+「で」「です」
活用していたら、「元(言い切り)の形」に戻して形容詞かどうか判断する
形容詞をそのままの形で抜き出すとき、1単語で抜き出す
「〜だ」「〜です」は識別が必要(「〜な」に変えて判断する)
今ならこの箇条書きの意味がよく理解できましたね? 品詞の中でも動詞・形容詞・形容動詞、つまりまとめて用言の部分は入試でも最重要単元です。10品詞全ての講座が終わった後、「用言の活用」としてもう1度出てくるくらい大切な部分なので、しっかりと復習しておきましょう。
次回は活用しない自立語に入ります。
その中でも名詞からスタートするのでしっかりとついてきてください。
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それではまた!