ターゲット1900とシステム英単語をプログラミングの配列で検証【どちらもまだまだ戦えることを、京大英語3年分のカバー率によって主張】

どーも！がこないのクボタです。

今回もリクエストコメントにお答えする単語検証動画シリーズの、ブログ記事バージョンになります。特に動画上では、単語リストの表示は部分的になっておりますので、全リストをゆっくり文字で見たい方はこちらを参照してください。

今回はYouTube上で寄せられたコメントはこちら。

はい、今回は実は急遽予定を変更して、この記事を書いています。今まで私はさも当然のようにターゲット1900とシステム英単語の共通項や差分を、新しい単語帳の比較対象としてお見せしてきました。プログラミングの配列企画を始めたころ、ターゲット1900を主体とする企画はかなりやったつもりなので、シス単との比較も当然したものと思い込んでいたところ、なんとまだだったのです。人間の思い込みって怖いですね。。。

先に今回の検証結果を簡潔にまとめた表をご覧ください。

単語帳	単語レベル	解説・派生語	回しやすさ
ターゲット1900	独自多め
	1単語1例文・派生語豊富・専用アプリあり(有料)。王道のレイアウト。難単語で差がつく。
システム英単語			ミニマルフレーズ
	例文なし・多義語コーナー・青字の補足が的確。難単語で差がつく。ミニマルフレーズが合うなら熟語も覚えられる。
必携英単語LEAP	基礎充実
	単語内の用法別に例文を用意・語源説明も豊富。基礎も不安ならこれ。
Stock4500	独自・口語多め
	あえてテーマ別の専門用語や口語など、独自単語を多めに収録、その分難単語の数は犠牲に。

というわけで今回は、現在大学受験の単語帳としては定番中の定番となっている２冊、ターゲット1900とシステム英単語を中心に、プログラミングの配列機能を使い、見出語を様々な角度から検証していきたいと思います。

今回やりたいこと

今回やりたいことを1枚の図で表したので、まずはこちらをご覧ください。

箇条書きに書いてあるとおりです。今回は２冊の概要としては簡易的なレイアウトの比較に留めておきますので、目次から見たいところだけ飛んでも構いません。

ターゲット1900とシステム英単語のレイアウト比較

レイアウト比較の概要はこちら

続きで細かく見ていきますが、大雑把な概要で十分な人は、この画像だけ押さえておけば問題ありません。

ターゲット1900のレイアウト

ターゲット1900の見開きはこんな感じ。

ちょっと細かいですが解像度を落とさずに表示してみました。

左から見出語、訳、派生語。そして右ページには例文とその訳、非常にオーソドックスな作りとなっています。私はこれで学生時代を過ごしたようなものなので、まるで実家に帰ったかのような安心感があります。

ちなみに派生語の部分はかなり細かい方です。試しに"expand"という単語をシス単と見比べたのでご覧ください。

派生語としては名詞の"expansion"はどちらにも載っているのが確認できますが、形容詞の"expansive"はターゲットだけに載っているのがわかりますか? このような微妙な差が、随所に見られます。実は他の単語帳とも派生語の豊富さは見比べたことがあるんですが、体感的にターゲット1900は、鉄壁の次くらいには派生語が豊富に載っていると感じます。面白みに欠けるレイアウトと思われがちですが、1単語あたりの情報量には定評がありますね。

システム英単語のレイアウト

システム英単語の見開きはこんな感じ。

決定的な違いは見出語単語が両ページの左側に載っているところ。これによってターゲットに比べ、ページあたりで２倍の単語を載せることができます。結果2027＋多義語180という豊富な単語数を、ターゲットよりも分厚くすることなく収録しています。収録数ではこの形式が有利に働きますね。

レイアウトは左から見出語、訳、派生語。そして上部にシス単のお箱でもあるミニマルフレーズがあり、その単語にとって一番定番な熟語や、相性の良い前置詞などはこの部分で網羅できてしまいます。つまり、見出語感覚でその単語の訳と定番熟語を1つ覚えることができるこの形式は、特に効率を求める受験生には向いているでしょう。

個人的には見出語片側タイプが好き

余談ですが、私はターゲットタイプ(見出語が左ページの端にのみ載っている)が好きです。もちろんそれで育ったという点が一番大きいのですが、私は1冊の単語帳を何百周と回していくうちに、いちいち日本語訳が浮かぶ前にその単語のイメージが湧いたらOKとみなす早回しをすることがよくあります。その時は単語帳を小さく開いて、見出語だけが表示された状態から、ページをパラパラめくる動作を繰り返します。イメージはこんな感んじ。

伝わりますか？ 詳しくは動画バージョンが完成したら、動きをつけて説明しておきますね。

ところがこれがシス単タイプだと、大きく開かないと右ページの見出語を確認できません。満員電車で毎日このトレーニングをしていた私にとっては、大きく開かないとできないこのタイプは致命的でした。例えばこんな感じで、右ページの右端に見出語があればいいのですが、、、残念ながらそのような単語帳は今の所見たことがありません。

まあこれはあくまでも私個人の感じ方なので、話半分に受け取っておいてください笑

ターゲット1900とシステム英単語の共通項と差分

それでは早速ターゲット1900とシステム英単語の比較に入ります。

今回使用する言語はPython、自然言語処理ライブラリとしてSpacyになります。詳しいプログラミングのコード部分は割愛します。

では２冊比較の場合、共通項と差分は同時に表示します(引き算すれば自然と出るので)。結果はこのようになりました。

はい、共通項は1365単語となりました！

なお、以前の記事では1363と表示している時もありましたが、検証中に見つかった配列内のスペルミスは、その都度訂正しています。よって訂正のたびに、共通項や差分の数値が1、2個変化することがあります。何重にもチェックしているつもりですが、個人の手入力には限界があることをご理解ください。ただし最新の記事ほど正確な数値に近づくのは間違いありません。

さて、ターゲット目線で言えば7割くらいの単語が被っていることになります。どちらで勉強しても、これらの単語は必ず覚えることになるというわけです。

では記事をご覧になったみなさんのために、各２冊の独自単語をリスト表示します。縦にどうしても長くなるので、袋とじ状態にしておきます。どちらの単語帳をメインにしていたとしても、　もう片方の独自単語をカードでストックしておけば、１冊だけのライバルに差をつけることができます。勉強になるから訳は辞書で調べてね。

ターゲット1900の独自単語リスト

システム英単語の独自単語リスト

各単語帳の独自単語をもう少し深掘りしたい

繰り返しになりますが被った、被らなかったには、以下の可能性が考えられます。

正直1と2は極めて主観的なものなので、一概に決めることはできませんが、3は以下の観点から客観的に割り出すことができます。

つまり、ターゲット1400/1200、シス単ベーシック版、さらには中学レベルのターゲット1800に載っている単語を基礎単語とみなし、これらに載っている単語は除外することで、(ある程度は)簡単な単語は省くことができます。

いや、今回はもっと独自単語を絞っていきたいので、さらに単語帳を増やしていきましょう。

つまり、2次試験レベルのLEAP、鉄壁、単語王、Stock4500、逆転英単語、それから下位バージョンのターゲット1400/1200、シス単ベーシック版、さらには中学レベルのターゲット1800に載っている単語、これらに載っている単語は除外することで、ユニークな単語のみが残る可能性が高くなります。

というわけで2冊の独自単語から、他に載っている単語を省いた数字がこちらになります。

はい、だいぶ数が減りました。これらは他に載っていない珍しい単語の可能性が高いので、先ほどの全リストがしんどい人は、こっちだけでも覚えると得ですよ。

ターゲット1900から他に載っているものを除いた独自単語リスト

システム英単語から他に載っているものを除いた独自単語リスト

ターゲット1900とシステム英単語は共通テストでいくつ的中させたか

次に京大英語のカバー率を見る前に以前の検証からの引用になりますが、ターゲット1900とシステム英単語が共通テスト2022の英語でいくつの単語を的中させたかを発表します。

自然言語処理の手順に興味のある方は、こちらの記事を参照してください。

今回は引き合いに出すためにLEAP英単語とStock4500にも参加してもらいます。

これは以前記事でも検証しているので、そのまま数字だけの発表になります。

結果はこんな感じ。

一見LEAPが飛び抜けて見えますが、基礎単語もある程度含んでいるためです。毎度のことながら、公平に中学校の教科書レベルの単語を省いてみましょう。

結果はこんな感じ

こうすることで、シス単が一番多くの(ある程度のレベル以上の)単語を当てたことになります。カバー率を様々な角度から見ることは大切ですね。ちなみに基礎単語に不安がある方は、この中ならLEAPが一番おすすめです。これも本当に良い単語帳ですよ。

ではこの検証順で、難単語の割合が高いと予想される、京都大学３年分をまとめて検証してみましょう。

ターゲット1900とシステム英単語は京大英語2020〜22でいくつ的中させたか

それでは以前パス単検証企画で使用した、京都大学2020〜22の英語でいくつの単語を的中させたかを見ていきましょう。

結果はこんな感じ。

一見LEAPが飛び抜けて見えますが、基礎単語もある程度含んでいるためです。いくら最難関の英語といえど、やはり英文とは基礎単語が一番多くなるものです。よって毎度のことながら、公平に中学校の教科書レベルの単語を省いてみましょう。

結果はこんな感じ。

はい、今度はターゲットが一番多くの(ある程度のレベル以上の)単語を当てたことになります。シス単も非常に近い数値で迫っていますが、LEAPとStock4500は少し共通テストの時に比べ、差が開いてしまいました。

以上の点から、ターゲット1900とシステム英単語には、LEAPやStock4500に比べて難単語の割合が高いと予想されます。

ただし中身の単語を目で確かめるのが確実かと思いますので、先ほどと同じようにリスト表示しておきます。これは難しいと思う単語を自分でピックアップしておいてください。

ターゲット1900の基礎を除いた的中単語リスト

システム英単語の基礎を除いた的中単語リスト

LEAP英単語の基礎を除いた的中単語リスト

Stock4500の基礎を除いた的中単語リスト

まとめ

今回の検証は以上です。まとめはこんな感じ。

私が4冊を相対的につけた評価はこんな感じ。もちろんどれも1冊極めれば十分戦えることが前提です。

先に今回の検証結果を簡潔にまとめた表をご覧ください。

単語帳	単語レベル	解説・派生語	回しやすさ
ターゲット1900	独自多め
	1単語1例文・派生語豊富・専用アプリあり(有料)。王道のレイアウト。難単語で差がつく。
システム英単語			ミニマルフレーズ
	例文なし・多義語コーナー・青字の補足が的確。難単語で差がつく。ミニマルフレーズが合うなら熟語も覚えられる。
必携英単語LEAP	基礎充実
	単語内の用法別に例文を用意・語源説明も豊富。基礎も不安ならこれ。
Stock4500	独自・口語多め
	あえてテーマ別の専門用語や口語など、独自単語を多めに収録、その分難単語の数は犠牲に。

はい、記事を読んでからこれらの箇条書きを見れば、もう多くを語る必要はありません。ターゲット1900やシステム英単語は、新しい単語帳が出るたびにオワコンかと煽られますが、バリバリ第一線でまだまだいけます！ これら2冊のいずれかで不安を覚える受験生は安心して、自分の単語帳を信じ抜いてください。

ただし国公立2次試験、特に最難関レベルでは当然まだまだ知らない単語も出てきます。単語帳だけに逃げずに、多読や精読、文法力など総合的に鍛えて立ち向かってください。まあこのブログを追いかければ2次試験レベルの、単語帳に載っていない単語は随時紹介していきますけどね。

最後に今回の記事の動画バージョンはこちら。

はっきりとモチベーションに繋がるので、よかったら高評価やチャンネル登録してね。

と言うわけで今回はここまで！