LEAP英単語とシステム英単語の被りや差分を徹底検証！【リクエスト回】【共通テストカバー率も】

どーも！がこないのクボタです。

今回もリクエストコメントにお答えする単語検証動画シリーズの、ブログ記事バージョンになります。特に動画上では、単語リストの表示は部分的になっておりますので、全リストをゆっくり文字で見たい方はこちらを参照してください。

今回はYouTube上で寄せられたコメントはこちら。

というわけで今回は、現在大学受験の単語帳としては定番中の定番となっている２冊、LEAP英単語とシステム英単語を中心に、プログラミングの配列機能を使い、見出語を様々な角度から検証していきたいと思います。

今回やりたいこと

今回やりたいことを1枚の図で表したので、まずはこちらをご覧ください。

箇条書きに書いてあるとおりです。比較的新しい立場のLEAP英単語に関する著者情報やコンセプトなどは、以前LEAP英単語を主体としてレビューをした記事で触れておりますので、そちらをご覧ください。

よって今回は２冊の概要としては簡易的なレイアウトの比較に留めておきますので、目次から見たいところだけ飛んでも構いません。

LEAPとシステム英単語のレイアウト比較

今回はすでに何度も取り上げた単語帳同士の比較になりますが、レイアウトはこの２冊、大きく異なっておりますので順番にご覧ください。

まずはLEAP英単語の見開きはこんな感じ。

ちょっと細かいですが解像度を落とさずに表示してみました。

左から見出語、訳、派生語(イディオム含む)そして解説部分にはその単語の接頭語や接尾語を含めた、成り立ちが紹介されることもあります。そして右ページには例文(フレーズ)とその訳。ここで他の単語帳にない特徴は、訳のバリエーションごとに例文やフレーズが載っている点ですね。多義語の場合、多くの単語帳は一番重要そうな見出語訳のみ、例文を載せるのが一般的です。しかしLEAP英単語は「使える英語」を目指しているため、このようなバリエーションごとの例文・フレーズになっています。

次にシス単の見開きはこんな感じ。

まず一番の違いは見出語単語が左右両方に掲載されている点。これは左のみに見出語がくる単語帳（ターゲットやLEAP）に比べて、単純に見開きあたりで倍の単語を収録することができます。実際収録単語数も、LEAPに比べて100個近く多く収録されているので、スペース的には効率的です。ただし私個人としては左のみに見出語があり、小さく広げるだけで見出語チェックができる方法で、学生時代の満員電車通学をこなしてきたので、大きく広げないと左右の見出語が確認できないタイプは当時なら不便に感じたかもしれませんね。

あとは何といってもシス単の代名詞であるミニマルフレーズ。その単語の特に押さえておきたい熟語フレーズは、大体このミニマルフレーズの中で使われているので、見出語の訳と代表的な熟語1点を効率よく覚えたいならこのシステムは最強でしょう。

２冊を大雑把に見比べると、1つの単語における情報量の多さはLEAP、効率的なポイントだけを直結して覚えていくやり方ならシス単、という感じで一長一短です。ぜひ本屋で手にとって、自分に合う方を選んでください。

2冊の被りは普通これくらい

では今からいよいよ検証に入っていくのですが、その前にターゲット1900など他の定番単語帳とこれら２冊は、そもそも2冊比較だとどれくらい被っているのでしょうか？
基準を知っておかないと被りが多いのか少ないのか判断できないので、ダイジェスト的に見てもらいます。

まずはターゲット1900とシステム英単語の被りはこんな感じ。

差分は引き算すれば出るので割愛します。

次にターゲット1900とLEAPの被りはこんな感じ。

これらの数を覚えておいてください。いいですね？

LEAP英単語とシステム英単語の共通項

それでは早速LEAP英単語とシステム英単語の比較に入ります。

今回使用する言語はPython、自然言語処理ライブラリとしてSpacyになります。詳しいプログラミングのコード部分は割愛します。

まずは２冊の共通項を示すのでテンポよくいきましょう。

はい、1533単語となりました！

めちゃくちゃ多いですね。前回紹介した「逆転英単語」も被りが多かったのですが、それに次ぐレベルで多いです。今回は共通項が膨大になりすぎたため表示を避けますが、LEAP英単語基準で考えれば1533/1935となり、軽く4分の3を超えていることになります。

これは体感的には、ほとんど被っていると感じるレベルではないでしょうか？ おそらくどちらか１冊を極めた後にもう1冊を手に取った場合、びっくりするほどすらすら進んでいけると思います。

逆にどちらかをもう極めた人が、もう片方に乗り換えて語彙を増やそうとした場合、ほとんど被っているため期待するほど新出単語には出会えない、ということも予想できます。

よってここから語彙をさらに(できるレベルで)増やしたい場合は、受験というテーマから英検というテーマに乗り換えて、パス単準１級あたりがおすすめとなります。(もちろんビジネス単語でよければTOEIC向けでも構いません)

2冊の差分は引き算で

次にこれら2冊の差分は、単純に引き算で割り出すことができます。結果はこちら。

ちゃんとプログラミングでも同様の数字になったので安心してね。

繰り返しになりますが、1500個被っていると、新しい単語は500個にも満たないことがわかります。先程乗り換えても語彙数はあまり増えないと言いましたが、約500個も増えれば十分と考える方もいるでしょう。しかし、中にはすでに知っている単語や簡単な単語も含まれているため、ここで一手間加えましょう。

各単語帳の独自単語をもう少し深掘りしたい

繰り返しになりますが被った、被らなかったには、以下の可能性が考えられます。

正直1と2は極めて主観的なものなので、一概に決めることはできませんが、3は以下の観点から客観的に割り出すことができます。

つまり、LEAP、シス単それぞれのベーシック版に載っている単語を基礎単語とみなし、これらに載っている単語は除外することで、(ある程度は)簡単な単語は省くことができます。

というわけで2冊の独自単語から、基礎レベルの単語を省いた数字がこちらになります。

はい、特にLEAP英単語はグッと数が減りました。ここで減った分は下位バージョンのどちらかに載っていた基礎レベルの可能性が高くなります。よって先程の例に戻りますが、仮にシス単を極めた人がLEAPを追加した場合、増えて欲しいレベルの語彙は166個隣、やはり乗り換えるほどの数ではないことがわかります。

2冊それぞれの基礎を除いた独自単語

とはいっても片方だけだと100個以上の単語漏れが発生し、ここに不安を覚える方もいるでしょう。よってこの記事をご覧になったみなさんのために、各２冊の基礎を除いた独自単語をリスト表示します。縦にどうしても長くなるので、袋とじ状態にしておきます。どちらの単語帳をメインにしていたとしても、　もう片方の独自単語をカードでストックしておけば、１冊だけのライバルに差をつけることができます。勉強になるから訳は辞書で調べてね。

LEAP英単語の基礎を除いた独自単語リスト

システム英単語の基礎を除いた独自単語リスト

2冊の共通テストにおけるカバー率

それでは最後に、LEAPとシステム英単語が共通テスト2022の英語でいくつの単語を的中させたかを発表します。

自然言語処理の手順に興味のある方は、こちらの記事を参照してください。

これは以前記事でも検証しているので、そのまま数字だけの発表になります。

結果はこんな感じ。

LEAP英単語は292単語、システム英単語は229単語を的中させました。どちらも立派な的中率です。

それでは今から2冊の単語帳の、共通テストで的中させた単語の中身を順番にリストで表示します。

難しい単語で稼いだ数なのか、簡単な単語で稼いだ数なのかはみなさんの判断にお任せします。

LEAP英単語の共通テスト2022的中単語リスト

LEAP英単語の的中単語はこちら。

システム英単語の共通テスト2022的中単語リスト

システム英単語の的中単語はこちら。

長文中ではこう見える

いつもカバー率ばかり話題にしていますが、それで実際に読めると断言できるわけではありません。文法的な知識や、長文読解力、さらには背景知識や国語力などが総合的に絡んでくるからです。ただし、知らない単語が少なければ少ないほど、それらの力と合わせて読み進める可能性は広がります。

例えばここに共通テスト2022の長文の某１ページを引用しました。文量的に一番多く見えるページで、問題を解くつもりはありませんので悪しからず。

ここに今回の2冊の単語帳のカバー部分に色をつけると、このように長文は見えてきます。

はい、こんな感じ。全て重ねた図も作ろうかと思いましたが、ごちゃごちゃして訳がわからなくなったのでやめました。

色のついた部分を見ればわかりますが、中には「これはもともと知っていた単語だから」と感じたものもあるでしょう。まだ公平さに欠けますね。

的中単語から基礎レベルを除いてみた

今回的中率が一見見劣りするシス単の名誉のために、これらの的中単語から「中学レベル」の単語を取り除きます。

同じ会社の単語帳を使うと公平さにかけるため、今回は中学校の定番教科書2冊に載っている単語は全て省く処理をかけました。結果がこんな感じ。

シス単も、難単語に限定すれば非常に素晴らしい結果になりました。やはり共通テストや2次試験でどちらの単語帳を選んでも、大きく外すことはなさそうで安心ですね。

まとめ

今回の検証は以上です。まとめはこんな感じ。

リープ英単語の単語の選定は、基礎単語を多めに極めて丁寧に網羅していることがわかります。書く力までつけたい場合、より深い背景知識が手に入るLEAPは一番手となってきます。

リープ英単語の単語の選定は、2次試験レベルの単語を、定番熟語もセットで効率よく覚えるのに向いています。案外ミニマルフレーズの中の、前置詞の部分まで覚える癖は大事なんですよ。難関私立で同タイプの穴埋めはまだまだ出てきますからね。

よって今回紹介した2冊は、どちらを手にとっても共通テストや２次試験(今後個別に見ていきます)においてまず間違いありません。そこからもし被っていない単語帳を追加したいなら、同レベルで多少ユニークな選定のStock4500、少しレベルを上げたいなら速読英単語上級や、パス単準１級などをお勧めします。

最後に今回の記事の動画バージョンはこちら。

はっきりとモチベーションに繋がるので、よかったら高評価やチャンネル登録してね。

と言うわけで今回はここまで！