こんにちは、がこないのクボタです。今回はほとんどの生徒が面倒臭いと感じている国語の作文で、ついついやってしまいがちなミスを内容とは関係ないところで6つ選んでみました。
これらは私が本業の方で生徒たち(特に受験生)に作文指導をしている中で、日本語として目につきやすいミス、もしくは大人からは煙たがられる書き方なので、あくまでも一現場の体験談だと思って読んでください。
作文は高校入試でほぼ必須のところが多い
まずはじめに作文というと、皆さんは原稿用紙を何枚も使った読書感想文や人権作文などを思い浮かべるでしょう。小学生の頃、夏休みギリギリまで放置していて、最後の最後に駆け込みで仕上げるアレのことです。
もちろん中学校でもそれらの課題としての作文や、もしくは自分で応募して書く作文はたくさんあります。
今回はそれらの長い作文は一旦脇に置いておいて、一般公立入試の国語問題の一部として出てくる作文を考えてみます。
私が仕事をしている岐阜県では、一般公立入試の国語において、必ず最後の大問で作文が出されます。テーマは毎年もちろん異なりますが、ルールはここ10年以上全く変わっておらず、原稿用紙の半分のサイズ(20×10行、計200文字)で、
2段落構成、8行以上
のルールが定められています。これも立派な作文ですね。
200文字というと、ダラダラ書いているスペースもありません。
試験時間は全ての問題込みで50分なので、作文は5〜10分で仕上げなければなりません。
おそらく岐阜県以外の地域でもこの手の作文問題はほぼ必ず付いているのではないでしょうか?
ちなみにこの本番に備えてか、最近では中1の頃から公立中学校の中間テストや期末テストで、同様の作文問題が出されることが多くなった気がします。そこで作文慣れしておくのは良い傾向ですね。
入試でやるな・定番のミスその1
それではいよいよ本題に入ります。
中学生が入試の作文問題で、やってはいけないミスその1は、、、
常体と敬体の混同
です。
常体って何? 敬体って何? となった人はここで覚えてください。
簡潔にいうと常体とは、
のことで、敬体とは、
を指します。
そして基本的に入試作文では、
常体で書くなら全て常体で統一
敬体で書くなら全て敬体で統一
が基本となっており、作文を書き始めて最初の文は「〜だ。」と書き始めたのに、最後の文で「〜です。」なんて書き方をしてしまうと、ルール無視として減点、厳しいと0点扱いされてもおかしくないと考えましょう。
入試でやるな・定番のミスその2
次に行きましょう。中学生が入試の作文問題で、やってはいけないミスその2は、、、
「〜たり」の重ね忘れ
です。
これは日本語の正しい使い方に関係するので、具体例を説明します。
「勉強を後回しにしてしまう」という趣旨の作文で具体例を書こうとして、
例えば放課後友達と一緒に遊んだり、休日に家族で遠くに出かけたときに、私はよく〜(省略)
こんな書き方ですね。
「たり」は基本的に2つの動作を重ねるときに使われる言葉なので、正しくは、
例えば放課後友達と一緒に遊んだり、休日に家族で遠くに出かけたりするときに、私はよく〜(省略)
のようになります。
このミスは毎年本当によく見かけるのと、もう体に染み付いていて、一度指摘するぐらいではなかなか直らない生徒もいます。減点対象になるので、必ず重ねているかを確認しましょう。
入試でやるな・定番のミスその3
次に行きましょう。中学生が入試の作文問題で、やってはいけないミスその3は、、、
数字や単位(%など)をそのまま使用する
です。
これはグラフから読み取る形式でよくあるミスです。
例えば作文中で、
本を読まない生徒は45%と最も高く、、、
のように、縦書きの作文で書いてしまうパターンです。もちろん問題文に「数字や記号はそのまま使用して良い」という表記があれば別ですが、基本的に縦書きの世界では、
本を読まない生徒は四十五パーセントと最も高く、、、
のように漢数字、記号もカタカナで表しましょう。
入試でやるな・定番のミスその4
次に行きましょう。中学生が入試の作文問題で、やってはいけないミスその4は、、、
一文が異常に長い
です。
これは結構書くことが得意な生徒にもありがちな傾向で、具体的に書くと、
学校の制服がないと毎日どんな服を着ていくか考えなければならず、朝の支度に時間がかかるし、高い私服を着ている生徒と安い私服を着ている生徒の間で、イジメが起こる可能性もあるし、教室の中でみんなが私服だと一体感が生まれず、授業にも集中しづらくなると思うので、私は学校の制服を廃止する意見に反対です。
真似るのは難しいですが、こんな感じですかね。下手をすると、一文で作文が終わる生徒もいます。
上の例は、もちろん減点しない先生もいると思いますが、
一文が長い、もっと区切れよ!
という大人がいることも容易に想像できます。単純に読みづらいんですよね。
例えば上の例を訂正すると、
学校の制服がないと毎日どんな服を着ていくか考えなければならず、朝の支度に時間がかかります。また、高い私服を着ている生徒と安い私服を着ている生徒の間で、イジメが起こる可能性もあります。さらに教室の中で、みんなが私服だと一体感が生まれず、授業にも集中しづらくなると考えられます。以上の点から、私は学校の制服を廃止する意見に反対です。
こんな感じで区切るだけで、読みやすさは格段に上がります。
この例は絶対に減点とは言い切れませんが、好ましく思われない可能性がある以上、避けるべき書き方ですね。
入試でやるな・定番のミスその5
次に行きましょう。中学生が入試の作文問題で、やってはいけないミスその5は、、、
文頭の順接に「なので」を使う
です。
これは、話し言葉の延長で書いてしまう生徒に多い特徴なのですが、
〜となる恐れがあります。なのでインターネットの情報は、全て鵜呑みにしないよう注意すべきです。
こんな感じでせっかくいいことを書いていて、結論までまとめていても、「なので」と文頭で使われると、途端に幼い人の書いた文のような印象を与えてしまいます。
もちろん、元々接続語として文中で使われるような、
明日はテストなので、今日は早く寝よう。
のような用法は大丈夫です。ここから、最近の流行として、なのでが文頭使いされるようになってきたわけです。
もちろん「誤用は誤用の始まり」という格言が言語学の世界にあるように、今後この文頭の「なので」は正しい使い方となっていくでしょう。実際に辞書の一部にはこの使い方もある、程度の触れ方で載せ始めたものもあります。
ただし、やはり作文は書き言葉である点と、まだまだこの使い方に違和感を覚える大人も多いので、やはり減点リスクを避けるために、
〜となる恐れがあります。よってインターネットの情報は、全て鵜呑みにしないよう注意すべきです。
のような他の順接の接続詞で無難に書いておきましょう。
入試でやるな・定番のミスその6
それでは最後です。
これは厳密にはミスではありませんが、多用されると途端に説得力がなくなってしまう書き方として、
「思います」の連発
があります。
これはおそらく無意識にやっているのでしょう、ひどい生徒だと短い作文の全ての文に「思います」が付いていることがあります。
これはおそらく日本人全体に言えることですが、「思います」を使うことによって強い明言を避けよう、言い切るのはちょっとキツイ印象を与えるから避けたい、から生まれた現象だと思います(はい、私も今使いました笑)。
ちなみに英語でも日本人は、
I think 〜
を使いすぎると聞いたことがあります。おそらく中2でthat節を習って以降、便利な表現だから何回も書いてきたからではないでしょうか?
似たような表現のI guess 〜も海外の人は等しく使いますが、日本人は圧倒的にI think 〜が多いですよね。受験英語の弊害とも言えそうです。
ミスは誰にでも起こりうる
最後に、これらのミスは国語力の良し悪しとも関係している内容ですが、「私は国語が得意だから大丈夫」と思っている人ほどやってしまいがちなミスです。
入試本番で絶対にやらかさないために、定期テストで一度くらい痛い目を見た方、がかえって本人のためにはいいかもしれません。
今までノーミスでやり過ごしてきた(もしくは指摘されてこなかった)人ほど、慎重に見直すことを心がけてください。それではまた!