オプティマ2000・1600のレベルを他との被りや共通テスト・明大英語カバー率から徹底検証【河合塾】【ターゲット】【システム英単語】【LEAP】

どーも！がこないのクボタです。

今回もリクエストコメントにお答えする単語検証動画シリーズの、ブログ記事バージョンになります。特に動画上では、単語リストの表示は部分的になっておりますので、全リストをゆっくり文字で見たい方はこちらを参照してください。

今回はYouTube上で寄せられたコメントはこちら(本名の可能性があるときは伏せます)。

リクエストありがとうございました。

というわけで今回は、受験業界最大手の河合塾監修のもと作られた単語帳シリーズであるオプティマ2000・1600のレビューを中心に、主要単語帳との収録単語の共通項や差分、共通テストや明大英語におけるカバー率などを、プログラミングを利用して比較・検証していきたいと思います。

今回やりたいこと

今回やりたいことを1枚の図で表したので、まずはこちらをご覧ください。

箇条書きに書いてあるとおりです。2冊同士の比較は大雑把に、4冊比較から割り出された重要そうな部分はなるべくリストとして表示するので、目次から見たいところだけ飛んでも構いません。

オプティマ2000・1600の概要

オプティマ2000・1600の概要の概要はこんな感じ。

監修は河合塾講師陣ということで、大学受験業界最大手の1つである河合塾の単語帳という認識が一番最初に来るでしょう。駿台のシス単シリーズ、Z会の速読英単語シリーズに比べて知名度は低いですが、今後定番の一角となれるでしょうか。

難易度としては1600、2000の順で、それぞれ発売は2019年、2021年とかなり新しいシリーズです。収録単語数もタイトルの通り1600、2000となっております。

中身のレイアウト比較に入る前に、第一印象を。

はい、これが全てですね。馬鹿にしているわけではありません。

表紙とサイズ感、後からレイアウトを見せますが中身のスッキリした感じ、どれをとってもおしゃれで清潔感があります。

特に表紙のイメージってめちゃくちゃ大事で、例えば犬の表紙で有名なターゲットシリーズも、一時期おしゃれな水玉表紙バージョンを出していましたよね。

見た目が合う・合わないはモチベーションにめちゃくちゃ影響します。

どんなに良いコンテンツでも、絵柄が受け付けないゲーム、漫画、ドラマ、映画、、、どれか1つは皆さんの人生の中で思い当たるものはありませんか？

逆にそれはハマれる要素にもなり得ます。ゲームで言えばペルソナシリーズなんて、そっちに全振りですね。

もちろん英語学習は、ある意味ストイックな自分との戦いです。単語帳がボロボロになるまでやり込む美学など、見た目よりも大事な世界の割合が大きいのは間違いありません。

しかしやはり見た目は大事です。

この単語帳は男女問わずどの年代の人でも、電車や、カフェ、図書館の中、どこでも気兼ねなく開くことができるデザインです。外見について補足すると、サイズ感もターゲットが少し縦長に、横幅は狭くなったくらいのコンパクトな印象。紙の質感も私的には硬すぎず、めくりやすくて好きでした。

オプティマ2000・1600のレイアウト

それぞれの見開きはこんな感じ。

オプティマ2000

オプティマ1600

見出語は左のみのターゲット型。左から見出語、発音記号、訳、派生語(熟語含む)、右側のページで例文とその訳となります。

開いた第一印象は

った感じです。

これは悪い意味ではありません。私はターゲットで育った世代なので、まるで実家のような安心感を覚えました。

その証拠に、以前の記事で使用したターゲット1900の見開きをご覧ください。

はい、やっぱり似ていますね。

あえて違いを挙げるならば

あたりでしょうか。

デザイン的にはターゲットをさらにスッキリさせた印象があります。

ただしその代償として、特にターゲットでは見出語として広く、詳細に記述された単語などの情報量が、オプティマでは(スペース内に収めるために)ある程度カットされていました(派生語や熟語など)。

ちなみにオプティマ1600とオプティマ2000で同じ単語における情報量の違いは、派生語の有無や例文のレベルに若干の差が見られたことを報告しておきます。

余談ですがオプティマ2000の表紙裏にこんな表記を発見してしまいました。

えーと、この記事の意味は、、、こんなことでは挫けません。本当かどうか検証していきます。

2冊の単語帳比較

それでは次にオプティマ2000を中心に、まずは大学受験2次試験向けの単語帳(ターゲット1900、システム英単語、LEAP)との２冊比較をしていきます。

2冊の被りは普通これくらい

その前にオプティマ2000以外の3冊の単語帳は、そもそも2冊比較だとどれくらい被っているのでしょうか？
基準を知っておかないと被りが多いのか少ないのか判断できないので、ダイジェスト的に見てもらいます。

まずはターゲット1900とシステム英単語の被りはこんな感じ。

差分は引き算すれば出るので割愛します。

次にターゲット1900とLEAPの被りはこんな感じ。

そしてシステム英単語とLEAPの被りはこんな感じ。

これらの数を覚えておいてください。いいですね？

オプティマ2000とターゲット1900の比較

それでは早速オプティマ2000とターゲット1900の比較に入ります。

今回使用する言語はPython、自然言語処理ライブラリとしてSpacyになります。詳しいプログラミングのコード部分は割愛します。

共通項だけ示すのでテンポよくいきましょう。

これはかなり多いですね。外見も含めてターゲットをかなり意識して作ったのでしょうか、7割にせまる勢いです。

オプティマ2000とシステム英単語の比較

次にオプティマ2000とシステム英単語の共通項はこんな感じ。

これも同じくらい。

オプティマ2000とLEAPの比較

次にオプティマ2000とLEAPの共通項はこんな感じ。

ここまで同じ割合が続くのは初めてですね。

一応鉄壁や単語王との被りも簡易的に表示しておきます。

今回はやはり2000個中、6〜7割の被りという傾向で一致しました。

4冊全てで共通する語はどれくらい？

ではこの図を見てください。

4冊の単語帳の全ての見出し語の中で、共通している数はこんな感じ。

2冊比較に比べて数が減るのは当然です。それでも1001個、かなりの数が被っていることになります。

4冊の共通単語全リスト

動画では時間の関係上、全ての単語を紹介することはできませんが、ブログは別です。文字の利点を生かして、共通する単語の全リストを見ていただきましょう。縦に長くなるので、見たい方だけ見られるようにするため、袋とじにしておきます。訳は自分で調べてください。

4冊の単語帳それぞれの差分

次に今回の4冊の単語帳の差分をそれぞれ割り出します。

まずは数を一気にご覧ください。

オプティマ2000の数値が比較的高いのが分かります。逆に言えば他の3冊は似たようなオーソドックスなスタイルで2次試験向けに作られているため、収録単語の被りも大きくなっているのでしょう。

各単語帳の独自単語をもう少し深掘りしたい

被った、被らなかったには、以下の可能性が考えられます。

正直1と2は極めて主観的なものなので、一概に決めることはできませんが、3は以下の観点から客観的に割り出すことができます。

つまり、中学の主要な教科書であるNEW HORIZONとNEW CROWNに載っている単語を基礎単語とみなし、それらの単語は除外することで、(ある程度は)簡単な単語は省くことができます。

というわけで、早速これら4冊の独自単語から、基礎レベルの単語を省いた数字がこちらになります。

一番多いオプティマ2000が大きく数を落とすのかと思いきや、ほとんどの単語が残りました。

この結果から、オプティマ2000に載っている単語のうちほとんどは高校レベル以上の単語であることがわかりました。

各単語帳の基礎を除いた独自単語の全リスト

それでは今回は4冊すべての(基礎を除いた)独自単語を順にリスト表示します。訳は自分で調べてください。どの単語帳を使っていても、これらを追加で覚えればライバルに一歩リードできますよ。

ターゲット1900の基礎を除いた独自単語リスト

システム英単語の基礎を除いた独自単語リスト

LEAPの基礎を除いた独自単語リスト

オプティマ2000の基礎を除いた独自単語リスト

共通テストにおけるカバー率

次にオプティマ2000における共通テスト2022のカバー率を見ていきましょう。

自然言語処理の手順に興味のある方は、こちらの記事を参照してください。

その他の3冊は以前の検証からの引用になりますが、結果はこんな感じ。

はい、ターゲット1900、システム英単語と同水準の的中数になりました。LEAPが多いのは若干基礎単語が多いからと予想されます。

長文中ではこう見える

いつもカバー率ばかり話題にしていますが、それで実際に読めると断言できるわけではありません。文法的な知識や、長文読解力、さらには背景知識や国語力などが総合的に絡んでくるからです。ただし、知らない単語が少なければ少ないほど、それらの力と合わせて読み進める可能性は広がります。

例えばここに共通テスト2022の長文の某１ページを引用しました。文量的に一番多く見えるページで、問題を解くつもりはありませんので悪しからず。

ここに今回の2冊の単語帳のカバー部分に色をつけると、このように長文は見えてきます。

はい、こんな感じ。全て重ねた図も作ろうかと思いましたが、ごちゃごちゃして訳がわからなくなったのでやめました。

LEAPが若干基礎を含めて面積は広く、あとはほとんど同じですね。

基礎単語を除きたい

ただし今回は難単語の割合も見ていきたいので、毎度のことながら中学レベルの単語を省いてみます。

結果はこんな感じ。

高校レベルの単語では、４冊ともほぼ同水準となりました。

よって共通テストレベルなら、他の3冊と全く遜色なく戦えることが結論づけられました。

一応共通テストの基礎を除いた的中単語として、オプティマ2000のものだけリスト表示しておきます。その他は以前の記事を参照してください。

DUO3.0レビュー・主要単語帳3冊とプログラミングの配列で比較検証してみた【ターゲット1900】【システム英単語】【LEAP】【共通テストカバー率】

DUO3.0の特徴を、プログラミングの観点から他の単語帳との比較してアドバイス！

オプティマ2000は明治英語2020〜22でいくつ的中させたか

それでは以前の検証で使用した、明治大学政経学部2020〜22の英語でいくつの単語を的中させたかをオプティマ2000も含めて見ていきましょう。

結果はこんな感じ。

一見LEAPが飛び抜けて見えますが、やはりこれも基礎単語をある程度含んでいるためです。いくら難関大学の英語といえど、やはり英文とは基礎単語が一番多くなるものです。よって毎度のことながら、公平に中学校の教科書レベルの単語を省いてみましょう。

結果はこんな感じ。

はい、トップとまではいきませんでしたが、それでも他の単語帳とほぼ遜色のない数が残りました。

以上の点から、オプティマ2000の大学受験に出るような難単語の割合は、2次試験においてもほとんど同水準を保っていることが予想されます。

まあ中身の単語を目で確かめるのが確実かと思いますので、基礎を除いた的中単語をそれぞれリスト表示しておきます。これは難しいと思う単語を自分でピックアップしておいてください。

ターゲット1900が当てた基礎を除いた単語

システム英単語が当てた基礎を除いた単語

LEAPが当てた基礎を除いた単語

オプティマ2000が当てた基礎を除いた単語

長文中ではこう見える

例えばここで明大英語2022の大問2、長文の某１ページを引用します。問題を解くつもりはありませんので悪しからず。

ここに今回の各単語帳のカバー部分に色をつけると、このように長文は見えてきます。

はい、こんな感じ。全て重ねた図も作ろうかと思いましたが、４色を並べると訳がわからなくなったのでやめました。

これら色のついた部分は、もちろんその前から知っていたという単語もあるでしょう。しかし、「この単語を知らなかったら致命的だった」と言えるものも何個かは含まれているはずです。特にそれが傍線部だったら点数に直結してきますね。

単語帳とは必ずしも当たるわけではありませんが、安心感を得るための保険のような側面もあることを覚えておきましょう。

オプティマ1600と2000の比較

それでは次に、オプティマ2000の下位バージョン(印象としては中位バージョン)であるオプティマ1600のレベルを検証していきます。

まず初めに気になるのは上位版とのレベル差ですね。一番わかりやすい指標は、上位版との被りになります。

上位版との被り・ターゲットの場合

基準が欲しいので、やはり今回も他の単語帳で例を示します。

まずはターゲット1400と1900の共通項はこんな感じ。

この割合が大きければ大きいほど、上位版との差が小さいと判断できます。

上位版との被り・システム英単語の場合

次にシス単ベーシックと上位版の共通項はこんな感じ。

収録単語数の違いはあれど、かなり多いですね。シス単ベーシックはより上位版に近い存在と言えます。

上位版との被り・LEAPの場合

次にLEAPベーシックと上位版の共通項はこんな感じ。

1000を切りました。ただしLEAPベーシックは、収録単語数としては一番少ない(1217単語)という点だけご了承ください。

上位版との被り・オプティマの場合

最後にオプティマ1600と2000の共通項はこんな感じ。

はい、今回では一番多い数になります。レビュー部分で指摘した表紙裏の約1300単語の被りとは、厳密には1277単語ということが判明しました。

この数値から見ても、オプティマ1600はかなり上位版に近い中位版のような存在と言えそうです。

下位バージョン同士におけるオプティマ1600の立ち位置

先ほどは主要単語帳の、同シリーズ内での立ち位置（レベル差)を見てきました。しかし、そもそも上位版同士においても若干のレベル差は存在します。先ほどの数値がそのまま下位版のレベルを示すものとは言い切れません。

オプティマ1600における明治大学カバー率

というわけで、先ほど上位版で検証した明治大学のカバー率を、下位版4冊でも検証していきます。

※なおオプティマ1600が共通テストレベルを満たしていることは明らかなので、今回は割愛します。

明治大学政経学部3年分におけるカバー率はこちら。

そして基礎単語を除いた的中具合はこちら。

私がいつも中位版でレベルが高いと言っている、シス単ベーシックの数値を超えてきました。

以前明治大学の検証記事で、私はターゲット1400やシス単ベーシックでも(うまくやれば)十分戦えると主張しました。

数字上では、それを上回るオプティマ1600も同様に戦えることが予想されます。

オプティマ1600だけで戦えるか

それではここでオプティマ1600だけで戦えるかを判断していきましょう。

オプティマ2000と1600のカバー率比較を簡単にします。

的中させた単語の共通項と差分はこちら。

この中で注目すべきはただ1点。オプティマ2000だけが当てた35単語です。中身はこちら。

これらの数は3年分なので、単年あたりは3で割ってください(複数回受験すれば、その回数分掛け算)。

もちろん、これらの単語を知らない状態で本番を受ければ不利です。しかし問題は、ある程度戦えるかどうかですよね。

それでは先ほどの本文を使って、上位版で色付けした部分から、このリストに該当するものを囲ってみます。つまりそれこそが、オプティマ1600だけでは補いきれなかった単語となります。

このページだけの偶然かもしれませんが、たったの2個。下線が引かれている"speculation"(推測)のような点数に直結する単語も、オプティマ1600では同語源の別品詞が収録されているので、ある程度予想できます。

以上の点から、明大英語においてオプティマ1600は戦えると私は判断しました。

まとめ

今回の検証は以上です。まとめはこんな感じ。

箇条書きの通りです。

一言で言えば

って感じですね。厳密には、中位〜下位バージョンの中で単語レベルが最も高いという意味です。これだけである程度の国公立2次まで戦えるんじゃないでしょうか？

逆に言えばオプティマ2000の立ち位置は、後発としてはちょっと微妙ですね。立ち位置がはっきりしていないというか、なんならもっと難しくしてパス単準1級寄りにまで上げても良かったんじゃないか、そうすれば難単語帳として光が当たったんじゃないかとも思います。

それから、オプティマ1600のレベルの高さは、裏を返せば基礎単語の少なさとも言えます。一番下のラインとしてはそこを補うために、現状としてはターゲット1200やLEAPベーシックあたりからオプティマ1600に繋いでいくのが、基礎レベルからの現実的なルートではないでしょうか。

つまり、結論。

オプティマはターゲットのおしゃれバージョンとして、個人的には外見、中身ともに非常によい本だと思っています。

ただオプティマ1600でさえ、人によっては基礎単語を押さえたいニーズを満たしきれないとも言えるので、オプティマ1600の下に基礎レベルを作って欲しいですね。

最後に単語検証企画において本末転倒な言い方になりますが、大学受験の英語は単語帳を覚えるだけで合格できるような甘いものではありません。繰り返しにはなりますが、たとえこのレベルだと特に、文法の知識や長文読解力、読むスピード、論理的思考、背景知識、国語力、、、さまざまな能力の組み合わせで高得点が取れるように作られています。

単語だけに逃げず、バランスの良い学習を心がけてください。

今回の記事の動画バージョンはこちら。

はっきりとモチベーションに繋がるので、よかったら高評価やチャンネル登録してね。

それでは今回はここまで！