どうも!がこないのクボタです。
今回は中学国語文法「品詞の分類」の第3回になります。ここは中学1年生の後半〜中2にかけて習うのですが、その後の用言の活用に向けての大切な基礎の部分になります。
今日のまとめを先にどうぞ。
形容詞とは状態を表し、言い切りが「イ」段(活用あり)
活用していたら、「元(言い切り)の形」に戻して形容詞かどうか判断する
形容詞をそのままの形で抜き出すとき、1単語で抜き出す
この単元の前に、「自立語と付属語」を完璧に抜き出せることが大前提となるので、そちらがまだ不十分な方は以前の記事をご覧ください。
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自立語と付属語の抜き出しは、結局文節・単語分けって話【中学国語文法】
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また、まだ10品詞の名前があやふやな方は、先に前回紹介した導入編をご覧ください。
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それではやっていきましょう。
形容詞は活用ありで言い切りが「イ」段
それでは用言の2つ目、形容詞に話を進めます。
なお今回から「言い切りとは?」「活用とは?」の説明は省略させていただきます。これら2点の説明が必要な方は、前回の動詞の記事をご覧ください。
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形容詞とは動詞と同じく、英語でもよく耳にする言葉です。例えば”long”で「長い」、”honest”で「正直な」のように、大雑把にものの状態や性質、人の気持ちを表すことが特徴です。
日本語も、基本的にはそのような状態を表す言葉なのですが、
言い切りが「イ」段
のものだけが形容詞と定義されています。
例を挙げるとこんな感じ。
今日はとても暑い。(「暑い」が形容詞)
古い本をたくさん買った。(「古い」が形容詞)
努力できる人は強い。(「強い」が形容詞)
「暑い」「古い」「強い」、、、どれも状態を表す言葉ですが、全て文字通り「イ」で終わっていますよね?
これらは全て形容詞です。
次に、形容詞に慣れるにはまず自分でいくつか具体例を挙げることです。それでは10個ほど形容詞を挙げてみましょう。
できましたか? 解答例はこちら。
「新しい」「遠い」「羨ましい」「赤い」「苦い」「早い」「遅い」「深い」「重い」「激しい」
形容詞の活用の例
先ほど挙げた例は、全て言い切りの形です。このままの形で文章中に出てくれれば簡単に形容詞を見つけることができますが、多くの場合はこのままの形では出てくれません。
理由は動詞の時と同じく、下に続く語や用法によって活用するからです。この「活用あり」という感覚は後の「用言の活用」の単元で詳しく触れますので、今回は簡単に具体例をあげておきます。
こちらの図を見てください。
今まで日本語をネイティブとして使ってきた感覚のままで構いません。
形容詞「寒い」を、以下に続く語にスムーズにつながるように活用させてみてください。
いいですか? 正式にはこのようになります。
「寒い」という「イ」段だけを探すのではなく、上のように様々な音に活用したとしても、形容詞と答えられる準備をしておきましょう。
注意点を1つだけ。動詞の時と同じですが、例えば「寒かった」というフレーズを見つけたとき、「寒かった」全てで形容詞と答えてしまう生徒が非常に多いのですが、これは間違いです。
動詞のときの繰り返しになりますが、品詞とは単語レベルの話です。「寒かった」を単語分けすると「寒かっ/た」つまり形容詞の部分は「寒かっ」までとなります。(「た」は付属語で助動詞)
品詞名は必ず1単語で答える癖をつけておきましょう。
練習問題
では冒頭で触れたまとめをもう一度ご覧ください。
形容詞とは状態を表し、言い切りが「イ」段(活用あり)
活用していたら、「元(言い切り)の形」に戻して形容詞かどうか判断する
形容詞をそのままの形で抜き出すとき、1単語で抜き出す
今ならこれらの意味が理解できますね?
それでは練習問題を2問ほど解いて終わりましょう。
基本問題
この文章の中には、形容詞が活用された状態も含めていくつか含まれています。形容詞がイメージできる部分を考えてください。ヒントは言い切りが「イ」段として戻せる部分です。
答えはこちら
これは単純に「状態がイメージできる部分」が2箇所見つかりますね。「大きくなったら」と「高い山」の部分です。今回は元の形に戻して形容詞を答えるので、解答は「大きい」「高い」になります。
標準問題
最後に入試レベルの標準問題を。
まずは先ほどの問題と同じように、元の形をイメージすると、形容詞が2箇所見つかります。
ただし今回の問題文で気をつけてほしいのは、「そのままの形で抜き出す」点です。だから、活用された状態なら元に戻して考える点は先ほどと同じですが、元に戻した形のままで答えるとバツになってしまうのです。
きちんと文節、単語分けをして、1単語として形容詞を抜き出すとこうなります。
どうでしたか? 特に後半の問題は、入試に出てもおかしくないレベルです。実際は中2の中盤で勉強する「用言の活用」の部分で、形容詞の活用はもっと細かくやります。その知識によって、これらの抜き出し方はより正確になっていくので、安心してください。
次回は同じく活用する自立語として形容動詞/span>の説明に入りますが、活用の考え方は共通していると思ってください。
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それではまた!