どーも、がこないのクボタです。
大谷翔平選手、リアル二刀流すごいですよね!!
2021年7月20日にも投手として先発し6回無失点、打っては4打数1安打、降板後は外野の守備にも付くという離れ業をやってのけました。チームの勝ち星は付きませんでしたが、野球好きのクボタとしては防御率も順調に下がったので良しとしましょう。
大谷選手がきっかけでメジャーリーグ関連のニュースを見て回る方も多いと思いますが、選手のパフォーマンスを表すフレーズも、日本の野球ニュースでは見ないような表現方法が度々用いられています。その一例を見てみましょう。
日本の野球での投球内容を表す表現
この記事を読んでいる方は、日本のプロ野球を見ている人もいらっしゃるでしょう。
私は高校野球が一番好きなのですが、もちろんプロ野球も大好きです。中日ドラゴンズファンなので、近年の低迷ぶりは寂しいものがあるのですが、こんな時こそ本当の野球ファンかどうかが試されている気がします。
さて日本のプロ野球ではアナウンサー、または新聞記事が試合内容を伝える時、どのような表現をよく目にしますか?
今回はピッチャーの投球内容をイメージしてください。
上々の立ち上がり
2塁(3塁)を踏ませない圧巻の投球
制球に苦しみながらも我慢の投球
粘り強く投げました
この日はストレートの制球が冴えていました
ランナーを出しながらも、要所を締めるピッチングで、、、
まだまだ出てきそうですが、ピッチャーだけでいろんな表現がありますね。
これとは別にバッターの世界もあるので、各スポーツ特有の語彙や表現方法を学ぶのも面白いかもしれません。
メジャーで耳にする「支配的」な投球
それでは野球の舞台をメジャーリーグに移してみましょう。NHKのBS放送ではアナウンサーが日本式の実況をされるので、プロ野球と違和感なく見れるのですが、新聞記事やネットニュースでは何やら見慣れないフレーズをよく目にします。今回はピッチャーの記事に焦点を絞りますが、例えば
支配的な投球だった
〜回以降は支配的だった
マウンドで支配力を見せた
驚異的だった
堅実だった
本当はもう少し前後の文脈があるので一概には言えないのですが、「驚異的」や「堅実」を言う言葉は、日本でもかなり良いパフォーマンスで前者を、最高ではなくとも最低限の仕事をした時に後者なんだろうと予想がつきます。
これらは実際に日本の野球記事でも使われることはあるでしょう。しかし、「支配的」という言葉には馴染みがありません。これは英語ではどのような単語を使っているのでしょうか?
「支配する」はdominate、「支配的な」はdominant、「支配」はdominance
はい、先に結論を言いますと、全て「支配する」を表すdominate、およびその派生語によって表されています。
例えばMLBの公式Youtubeチャンネルには、その日活躍した選手のハイライトシーンがよく動画で上がるのですが、大谷選手関連の動画のタイトルと自分なりの訳を書いてみると、
Dominant stuff from Ohtani Six scoreless innings
大谷による6イニング無失点の支配的な投球
Ohtani's dominance continues!!
大谷の支配は続く
このようになります。前者は投球内容、後者は投打含めた総合的な内容に対して用いられていました。
その他、チームがチームを打ち負かす時に動詞のdominateを使ったり、逆に打ち負かされた時にdominated byとして受け身で使ったりする例がありますが、個人的には投手がその試合で圧倒的なパフォーマンスを見せた時に使われる傾向が高いと感じます。
その他の日本人選手での「支配的」な例
この「支配的」という表現は、大谷選手だけに使われる表現ではありません。まずははダルビッシュ選手の所属するパドレスの公式動画タイトルから、
Yu Darvish dominant with 12 strikeouts vs. Giants
ダルビッシュ有の支配的な12奪三振
続いて菊池選手から、
Kikuchi K's 5 in dominant start
菊池の5奪三振、支配的な立ち上がり
特に後者では、試合の一部分を切り取った場合にも使われることが分かりますね。
支配的って実際どれくらいの内容で使うの?
「支配的な投球」の定義は定まっておらず、必ず完封しなければならない訳ではありません。さらに先ほど挙げたように、立ち上がりや中盤以降など、部分的な投球に対しても使われるので本当に曖昧なのですが、あえて優先順位をつけるならばピッチング内容の全体、部分的問わず、
1.パーフェクト(三者凡退)に近い内容で抑える
2.単発のホームラン以外はほぼパーフェクトに近い内容
3.ランナーが出たとしても奪三振率の高さでねじ伏せる
4.たとえ荒削りでも、投げている球がえげつないと誰でもわかる
どれも「支配的」と使われることが多いですが、上に行くほど確実です。
まずパーフェクトやノーヒットノーランは、誰が達成しても支配的です。
軟投派のピッチャーは1か2(つまり被打率に低さとコントロールの良さ)は必須ですが、剛腕、本格派とされるピッチャーは、多少失点しても3や4に当てはまれば使われる印象にあります。
特に奪三振率の高いピッチャーの球は、ストレートか決め球の何か1つでとんでもないキレの可能性が高く、それを投げるともうお手上げ状態のイメージから、多少失点しても支配的とみなされるのだと思います。
日本のプロ野球で例えるなら、明らかに球界のエースと呼ばれるレベルの投手は、バッターを見下して投げているような雰囲気を持っていますよね。
日本時代のダルビッシュ投手や田中将大投手、最近だとオリックスの山本由伸にもこの雰囲気を感じます。
まさに格が違う、点が取れたらラッキーぐらいの絶望感を与えることが「支配的」の定義になるんじゃないかと思います。大谷投手の支配的な投球を今後も期待していきましょう。それではまた!