名古屋大学2022英語の各単語帳カバー率をプログラミングで検証【ターゲット1900】【システム英単語】【LEAP英単語】【Stock4500】

どーも！がこないのクボタです。

今回も国公立大学２次試験における単語検証動画シリーズの、ブログ記事バージョンになります。特に動画上では、単語リストの表示は部分的になっておりますので、全リストをゆっくり文字で見たい方はこちらを参照してください。

今回は名大英語2022年度の問題の中から、ターゲット1900、システム英単語、LEAP英単語、Stock4500における各カバー率を検証していきます。

今回やりたいこと

今回やりたいことを1枚の図で表したので、まずはこちらをご覧ください。

箇条書きに書いてあるとおりです。動画でダイジェスト的に触れる(予定の)単語リストは、なるべくブログ上では全表示していきます。ただし何百もの単語が縦に並ぶのは邪魔と感じる人もいるでしょうから、袋とじ状態にしておきます。また、それぞれの単語に訳を載せるのは途方もない作業になるので、気になった単語は皆さんが辞書を引いて調べてください。

名古屋大学2022英語の形式など

2022年度の名大英語の形式はこんな感じ。

今回中身の問題には触れませんが、さすがは旧帝大だけあってオーソドックスながらも、ごまかしの効かない形式になっています。長文の中で文法力や読解力、記述力や並び替え、さらには英作文能力まで問われるので、ただ単語さえ暗記すれば大丈夫という安易な考えでいるのは危険です。特に英作文は大問ごとに出てくるレベルで、おそらく配点も相当な部分を占めていると予想できます。

逆に言えば記述問題特有の「部分点をなんとかもぎ取っていくスタイル」は、この大学には必須のスキルです。どんなに読めない長文だったとしても、最後まで足掻く努力は大事になってきます。レベルの高い英語には、この「分からないなりに食らいつく」という力は必須なので、恥を恐れず、どんどん自分なりの回答を用意し、周りの信頼のおける先生などに添削してもらいましょう。

このように今回の検証はあくまで参考にして、自分の苦手な部分を積極的に強化する意識を持ってくださいね。

名古屋大学2022英語におけるタイトル4冊の的中率

では次に、名古屋大学2022英語におけるこれら4冊の的中数とその率を見ていきましょう。

自然言語処理の手順に興味のある方は、こちらの記事を参照してください。

的中させた単語の数と的中率はこのようになります。

ターゲット1900が151個、シス単は163個、LEAP英単語が一番多く205個、Stock4500は174個という結果になりました。やはり大学受験、特に2次試験向けに作られた単語帳だけあって、似たような単語数に落ち着きましたね。

これだけだとLEAP英単語が一番優れて見えますが、やはり的中させた中身を見ないと判断できません。今から的中単語を順番にリスト表示しますので、すらすら訳が出てくるか確かめてください。

ターゲット1900が当てた単語

システム英単語が当てた単語

LEAP英単語が当てた単語

Stock4500が当てた単語

簡単な単語の的中は省きたい

この結果だけ見ると「的中数の多いものは優れていて、的中数の少ないものは劣っている」という印象を与えかねません。そこで、次のフィルターにかけてみます。

つまり、中学校の教科書として有名なNEW HORIZONとNEW CROWNに乗っている単語を基礎単語とみなし、これらに載っている単語は除外することで、(ある程度は)簡単な単語は省くことができます。

というわけで、早速これら4冊の的中単語から、基礎レベルの単語を省いた数字がこちらになります。

はい、さらに4冊の差分がなくなったことがわかります。このフィルターを通すことで、LEAP英単語の的中単語には基礎も多く含まれていたことがわかりますね。ただし残った単語の数はどれも大差ありません。つまりどの1冊を手にとっても、極端に損をするということはなさそうですね。しっかりと自分の選んだ1冊を隅々まで極めましょう。

長文中ではこう見える

いつもカバー率ばかり話題にしていますが、それで実際に読めると断言できるわけではありません。文法的な知識や、長文読解力、さらには背景知識や国語力などが総合的に絡んでくるからです。ただし、知らない単語が少なければ少ないほど、それらの力と合わせて読み進める可能性は広がります。

例えばここに名大英語の大問１、長文の１ページ目だけ引用します。問題を解くつもりはありませんので悪しからず。

ここに今回の各単語帳のカバー部分に色をつけると、このように長文は見えてきます。

はい、こんな感じ。全て重ねた図も作ろうかと思いましたが、４色を並べると訳がわからなくなったのでやめました。

これら色のついた部分は、もちろんその前から知っていたという単語もあるでしょう。しかし、「この単語を知らなかったら致命的だった」と言えるものも何個かは含まれているはずです。特にそれが傍線部だったら点数に直結してきますね。

もちろん、これらどの単語帳にも被らなかった難しい単語も、このレベルになるとどうしても出てきてしまいます。例えばここなら"imsomnia(不眠症)"という単語。このような専門用語的な単語は、おそらく一般的な単語帳だとほぼ載っていません。ただし、この長文においてこの単語は、絶対に訳せないと先に進めない類のものではありませんし、読解力のある人なら何かしら、眠りに関する病気なのだろうと推測することができます。この力は非常に大切なので覚えておいてください。

よく単語帳を1冊極めれば大丈夫というアドバイスに、

という反論をいただくことがあります。もちろん、派生語まで完璧にして初めてこの意見を持てるという意味で、大変レベルの高い生徒からの切実な意見なのは間違いありません。しかしこれから先、どれだけ単語を完璧にしようと、知らない単語は含まれ続けると考えてください。おそらくあなたが見たことがないと感じた単語は、今受験しているライバルのほぼ全員も、知らない単語だと感じながらテストを受けているはずです。そういう状況でより近い推測ができるようになるために、今持っている単語帳を完璧に仕上げておく。そう考えることで、心のゆとりが少しは持てるのではないでしょうか。

和訳問題の例

動画において上の傍線部1の和訳例を、簡単な授業形式で動画にしました。該当箇所から始まるようにリンクを貼っておくので、興味のある人はご覧ください。

まとめ

今回の検証は以上です。まとめはこんな感じ。

箇条書きの通りです。単語検証企画において本末転倒な言い方になりますが、国公立2次試験レベルの英語は単語帳を覚えるだけで合格できるような甘いものではありません。繰り返しにはなりますが、文法の知識や長文読解力、英作文、読むスピード、論理的思考、背景知識、国語力、、、さまざまな能力の組み合わせで高得点が取れるように作られています。

単語を覚えるのは片手間でできる一番とっつきやすい勉強である反面、中にはそればかり時間を割いて、上にあげたような負荷の大きい勉強を避けがちな生徒も多く見られます。共通テスト6〜7割くらいまでなら、単語だけでも勘のいい生徒は取れることもあるでしょうが、このレベルの２次試験英語はまずごまかしが効かないので、バランスの取れた英語学習を心がけてください。

各単語帳だけの的中単語を確認したい方はこちら。

最後に今回取り上げた単語帳のどれにも載っていない厳選難単語を、今回は21個ほどピックアップして、辞書を引き直しておきました。
今後もこの厳選難単語をさまざまな大学で作成していきますので、この部分を覚えるだけでもライバルに差がつきますよ。単語帳プラスアルファの部分として知識に入れてください。それではまた！

単語帳に載っていない厳選21難単語