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中学生 国語文法 文節分け

文節の分け方 〜基礎から間違えやすいものまで丁寧に解説するよ〜【中学国語文法】

投稿日:2020年12月28日 更新日:

中学1年生。新しく中学校の授業も始まって学校生活にも慣れ、教科書も少しずつ進んでいく中で、皆さんは「国語文法」という、何やら聞きなれない単語に出会います。f

その中でも今回は、一番最初に習う重要な単元である「文節分け」の基本や、間違えやすいポイントなどを順番に解説していきます。

まずは先にこの講義のまとめを見てください。

今の時点で書いてあることが全て理解できるなら、続きを読む必要はありません。戻るボタンでご自身の勉強に戻ってください。

もし1点でも気になる部分があるなら、一緒に文節分けの講義に付き合ってください。

それではやっていきましょう!



日本語は文章→段落→文→文節→単語の順で細かくなる

まずはじめに、日本語ってどんな単位で分かれていくのか知っていますか?

みんなが読んでいる小説も、新聞も、夏休みの宿題として出された読書感想文も、基本的には「文章」→「段落」→「文」→「文節」→「単語」の構成単位を守って書かれています。

「文章」とはその作品や新聞記事、読書感想文全体のことを指します。ここでは文節の説明に入る前に、その上のカテゴリーである「段落」と「文」も見分け方にも軽く触れておきましょう。

段落は1文字下がったところで判断

段落とはある程度まとまった文の集まりです。見分け方は簡単。前の行が終わっていても下に文字が続くことなく(改行)、次の行の頭が1文字下がっている点が、段落の分かれ目です。

もし文章全体の段落数を答えなさいと聞かれれば、最初から最後まで頭が1文字分下がった箇所の数を答えればいいのです。

授業中でも「〜段落から読んでください。」と区切りの意味で使われたり、テストでも「〜段落中から抜き出しなさい。」などと問われたりするので、「もう段落なんて知っているよ。」と言う人もまずはきちんと確認し直してください。

文は「。」の数で判断

文の見分け方は非常に簡単、「。」をつけることでその文が終わります。まあこれは、小学生の頃から当たり前のようにやってきたことなので、「改めて文字にされても、、、」という感じですが、国語文法とはそういうものなのです。ただし「。」が句点、「、」が読点、合わせて句読点をいう言葉は、意外に答えられない生徒が多いのでしっかり覚えましょう。



文節は意味の自然な切れ目、「ネ(ヨ)」をつけて句切る

いよいよ文節の説明に入ります。教科書的な少々かたい言い方をすれば文節とは

発音や意味の上で不自然にならないように、文をできるだけ短く区切ったまとまり

となります。

なるほど、よく分からん!

 

と思うのも当然です。だから昔から、文を声に出して読み、「ネ(ヨ)」が自然に入るところで文節が切れると教えられてきました。

それでは例を挙げてみましょう。

(問題)私の兄は今日、羽島に行きます。
(解答)私の(ネ)/兄は(ネ)/今日(ネ)、/羽島に(ネ)/行きます(ヨ)。 5文節

はい、こんな感じです。簡単ですよね。文末は「ネ」でも「ヨ」でも好きな方で分けてください。スラッシュ( / )の付いた部分で文節が切れているので、この文は5文節になります。

たまにスラッシュ( / )の数だけカウントして、「今回は4文節だ!」と思ってしまう人がいますが違います。かたまりの数が大切なので、「私の」「兄は」「今日」「羽島に」「行きます」の5つのかたまり、つまり5文節になります。

ここでいくつか注意点をあげます。いくら意味の自然なところで「ネ」をつけて読んだとしても、その基準は個人の感覚によって様々です。

ある人にとっては分けたくなったり、またある人にとっては分けずに一気に読みたい。

ここではそのような間違えやすいポイントをいくつか解説していきます。

「〜している」系は分ける(2文節)

(問題)私の姉はいつも、公園で走っている。
(問題)彼は私にいつも、嫌なことばかり言ってくる。

「走っている」という動作があったとします。ここでは「走っている(ヨ)」というように、分けずに一気に読みがちですが「走って(ネ)/いる(ヨ)」のように2文節に分けてください。
ちなみに「〜している」系と書きましたが、具体的には

  • 「〜してみる」
  • 「〜してくる」
  • 「〜しておく」
  • 「〜してしまう」

などが挙げられ、これらは全て2文節に分けます。なお、この2文節の関係は、後の単元で「補助の関係」として習うので、今から覚えておきましょう。

(解答)私の(ネ)/姉は(ネ)/いつも(ネ)、/公園で(ネ)/走って(ネ)/いる(ヨ)。 6文節
(解答)彼は(ネ)/私に(ネ)/いつも(ネ)、/嫌な(ネ)/ことばかり(ネ)/言って(ネ)/くる(ヨ)。 7文節

「〜する」系は分けない

(問題)今日はみんなと、いつものガストで夜まで勉強する。

では次に「勉強する」を考えてみてください。ついつい「勉強(ネ)/する(ヨ)」と分けてしまいがちですが、ここは分けずに1文節とみなしましょう

ちなみにこれは、次の最重要単元である「単語分け」でも「分けないポイント」に当てはまるので、しっかり理解しましょう。

(解答)今日は(ネ)/みんなと(ネ)、/いつもの(ネ)/ガストで(ネ)/夜まで(ネ)/勉強する(ヨ)。 6文節
(問題)今日はみんなと、いつものガストで夜まで勉強をする。

ただし「勉強をする」のように、間につなぐ文字がある場合は「勉強を(ネ)/する(ヨ)」と分けましょう。読む時もこちらの方が自然ですしね。

(解答)今日は(ネ)/みんなと(ネ)、/いつもの(ネ)/ガストで(ネ)/夜まで(ネ)/勉強を(ネ)/する(ヨ)。 7文節

ちなみにここで説明した2つのポイントを合わせた問題もよく出題されます。

(問題)私は昨日、遅くまで勉強していたので、今日はとても疲れている。

ここでのポイントは「勉強していたので」です。「勉強して」の部分は「勉強する」が変化しているのですが(これを活用と言います)、先ほど「勉強(ネ)」とはしませんでしたよね?

だからここでも「勉強(ネ)/して(ネ)」とは分けずに、「勉強して(ネ)」と一気にいきましょう。このように以前やった経験から、「今回もこうなるのでは、、、」と考えることは、非常に大切なスキルなので、ぜひ身につけていきましょう。

私は(ネ)/昨日(ネ)、/遅くまで(ネ)/勉強して(ネ)/いたので(ネ)、/今日は(ネ)/とても(ネ)/疲れて(ネ)/いる(ヨ)。 9文節



分けるかどうか迷った時の考え方(上級者)

以下、1年半ぶりの加筆になります!

ここまでの考え方で、ほとんどの文節は問題なく分けられるようになっていますが、やはり

ここは分けるべきか、分けないべきか

と悩む状況はゼロではありません。今の私ですらそうです。

もちろん言語なので、完璧なルールで100パーセント決まる部分ではありませんが、そのような状況で実際に私が頭の中で行っていることを解説します。

迷ったら他の例から証明せよ

それでは、次の問題を文節分けしてください。

もうすぐテストの結果が返ってくるので不安だ。

大丈夫な部分は省略しますが、みなさんが迷うのは

もうすぐ

の部分でしょう。

「もうすぐ」という言葉は、そのまま一気に読めそうな気もするし、途中で分ける気もする。「ネ」をつける位置が自然か不自然かも分かりずらいですよね。

そんなときに試して欲しいのが

「もう」が入った他の例を挙げて吟味する

ことです。

すると

もう/夜だから、/家に/帰る。
今日の/授業は/もう/終わりだ。

このように、「もう」だけで分けることが自然な文章が、いくつも出来上がります

よって今回は「もう/すぐ」と分ければいいと判断。

つまり問題文が多少複雑だから、簡単な他の例で自分で文を作って確かめているのですね。

これは勉強全体で役立つテクニックなので、中1の皆さんはぜひ取り入れてみてください。



上で判断できないなら下をみろ

もう1つのテクニックは、少し文法的な話になります。

問題は出しませんが、先ほどの「もうすぐ」を含めた迷いそうな部分を適当にあげると、

「ある人が」「もうすぐ」

のような細かい部分で、分けるか分けないか迷う生徒は多くいます。

また、この記事の最初の方で出てきた

「勉強ばかりして」

の部分、「勉強/ばかり/して」なのか「勉強ばかり/して」なのか迷った人もいるでしょう。

これらを考えるときに身につけてほしい知識が

文節は自立した言葉なので、そこからまた文を作れる

ということです。

例えば簡単に

私は/今日/名古屋に/行きます。(4文節)

の文章。意味の自然な切れ目が文節の区切りになるのですが、それぞれの文節だけ見てみると

「私は」「今日」「名古屋に」「行きます」

これらってなんとなく、しっかりした言葉に見えませんか? しっかりしているので、例えばこれらから文を始めれば

私は久保田です。
今日は休みます。
名古屋に住む。
行きます。

どれも短くても立派な文章です。

このようにしっかりと文頭に立てることができますよね。

これこそが文節の正体であり、難しい言い方をすれば文節は必ず「自立語」(中2でやります)を含んでいることになります。

逆にもし、

行き/ます

と文節を分けてしまったらどうでしょう。上の「行き」はまだ良くても、問題は下の「ます」です。

「ます」を文頭に何か文章を作れますか?

もちろん無理です。つまり、「ます」自体は自立した言葉を含んでおらず、文節を作れないため、分けてはいけないんです。

では先ほどの「ある人が」「もうすぐ」を、今と同じ考え方で解くとこうなります。

どちらも仮に2文節に分けた時、下側の文節だけでも文が作れますよね?

よってどちらも問題なく分けることができ、2文節扱いになります。

次に「勉強ばかり」の部分はこうなります。

今度は「勉強ばかり」の「ばかり」だけで、文頭から文を始めることはできません。よって、「勉強ばかり」はこれで分けずに1文節扱いとなります。

皆さんも困ったら、(仮に分けたとして)下の文節は自立できる言葉なのかどうか、これを判断の基準にしてください。

実際に問題を3問解いてみよう

それでは最後に、私の作ったWebアプリの中からの引用になりますが、文節分けの問題3問ほど解いてみましょう。

問題も解答も画面をスクショしたものになりますが、特に解答の方は袋とじ状態で見えないようにしておきます。

基礎問題1

では最初の問題。基礎問題とは言っても、十分実践レベルですよ。

基礎問題1

まずここに置いてある資料をじっくりと見てください。

しっかりと今回の講義を参考にして、分けてください。

解答はこちら
基礎問題1解答

まず/ここに/置いて/ある/資料を/じっくりと/見て/ください。

「置いて/ある」「見て/ください」の部分が補助の関係になります。

基礎問題2

次の問題。これも同じくらいの難易度です。

基礎問題2

晴れたので、今日は外で練習しよう。

解答はこちら
基礎問題2解答

晴れたので、/今日は/外で/練習しよう。

「〜する」は分けないことを意識しましょう。

実践問題

最後は難易度を上げます。短い方が文節分けは案外難しく見えますよ。

実践問題

そうすることで、もっと良くなりますよ。

解答はこちら
実践問題解答

そう/する/ことで、/もっと/良く/なりますよ。

「そう/する/ことで」「良く/なりますよ」の部分が特に間違えやすいです。それぞれ次の文節からも、きちんと文が作れるような言葉かどうかで判断しましょう。

まとめ

それでは今回のまとめをもう一度見てください。

いかがでしたか?

今はそれぞれの内容がしっかりとできているはずです。

この後みなさんがやるべきことは、練習問題でひたすら経験を積むことで、自分では分けると思っていた部分が分けなかったり、自分では分けないと思っていた部分が実は分けていたり、自分なりの癖を掴むことです。

次の単元である単語分けの講座はこちら

文節つながりだと、中1後半でこちらの単元にも行けます。

主語と述語の関係・修飾と被修飾の関係をマスターせよ・文節と文節の関係1【中学国語文法】

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なお、私自身が独学で作ったWebアプリ「がこない中学国語文法道場」においても文節分けの問題は多数用意してあるので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

(2022/6/30)文節分けばかり10問集めて、一緒に問題を解いていく記事を書きました!

【文法問題16】文節分けばかり10問一緒に解こうぜ【テスト対策編】【がこない中学国語文法道場】

文節分けが完璧にできるまで、徹底的に解きまくれ!

最後に5000回以上視聴されている私の文節分け講座の動画バージョンはこちら。

はっきりとモチベーションに繋がるので、よかったら高評価やチャンネル登録してね。

それではまた!

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