こんにちは、がこないのクボタです。中学英語文法の要である関係代名詞を完全攻略していくシリーズの第3回になります。今回は関係代名詞の格の見分け方と、その必要性について説明します。格の種類自体がまだよく分からない人は、前回の記事「中学で習う関係代名詞を完全攻略その2 〜関係代名詞の格〜【中学英語文法】」をご覧ください。それでは始めましょう!
2文から考えた方が格は見分けやすい
今回は関係代名詞の格の見分け方についてお話しします。前回のおさらいとして、関係代名詞の主格と目的格を、2文から1文に繋げる過程を意識して見ていきましょう。
これが先行詞「物」で主格の考え方
これが先行詞「人」で主格の考え方
これが先行詞「物」で目的格の考え方
これが先行詞「人」で目的格の考え方
どれも2文からの流れがあるので、どの格になるかの判断はしやすいですよね?
1文で関係代名詞の主格と判断するには?
今まで全ての関係代名詞を、元々あった2文の状態から順に説明してきました。ただし、関係代名詞はそもそも
This is the book which made me happy.
I have a brother who can speak English.
いきなり関係代名詞の文で出てくる
ことが大前提です。当たり前ですよね?そもそも「面倒だからまとめて言ってしまいたい。」という目的で使う用法なのですから。
ではそんな「最初から関係代名詞を使った文」の状態で、どうやってその文が「主格」と判断すればいいのでしょう?ここで簡単な見分け方を教えます。
はい、主格の特徴は、
関係代名詞の後ろに(助)動詞がくる
これだけです。ちなみに高校英語でも、一部の発展問題を除いて必要な感覚なので、今のうちにしっかりと身につけましょう。
1文で関係代名詞の目的格と判断するには?
では次に関係代名詞の目的格について考えます。
This is the camera which I bought yesterday.
He is the doctor who I know very well.
いきなり関係代名詞の文で出てくる
この状態で判断できる目的格の特徴は
関係代名詞の後ろに「主語」+「動詞」がくる
こうなります。ちなみに高校レベルだと「主語」+「動詞」+「不完全な文」という教え方をしますが、もし理解できる人は「目的語が抜けた不完全状態」が続いていると思って下さい。
中学生でまだよく分からない人は「主語」+「動詞」だけでもオッケーです。
なぜ格を見分ける必要があるの?
ここまでの関係代名詞を学んでくると、ある疑問がわいてきます。
「そもそもなんで格なんて見分ける必要があるの?」
「物ならwhich、人ならwhoだけで格なんで考えなくていいじゃん、whomもあるけど強制じゃないし。」
ではここで、本日一番重要なポイントを話します。今までの説明をひっくり返すような内容です。実は関係代名詞って、
目的格は省略可能
なんです。
目的格は省略可能
つまり、
省略して、
同様に、
省略して、
と書くことができます。先ほど会話表現では、「whomよりもwhoを使う」と説明しましたが、
目的格の省略バージョンは、省略なしバージョンと同じくらいよく使われる
と覚えて下さい。慣れてくると、
名詞の後ろで「主語」+「動詞」が続くと、自然と前の名詞にかかる感覚
がつかめるので、英会話やリスニングでも早くこの感覚に慣れてください。
ちなみに関係代名詞の主格では省略はできません。
I have a brother can speak English.
このように主格のwhoを省略して書くと、文全体の主語と動詞の感覚が崩れて訳が分からなくなりますよね。
目的格の場合は、後ろで「名詞」+「主語」+「動詞」という形がある程度整って見えるので、リアルタイムで話したり聞いたりしても、文自体の構造を見逃すことがないのです。
この違いを理解するためにも格の見分けは必須だし、自分が話す場合も短い関係代名詞の目的格フレーズだったら、あえて省略して使ってみるのもいいですね。
主格は先行詞を主語のように考え動詞を選ぶ
では主格の文をいきなり自分で話したり書いたりする時、関係代名詞を省略できない以外に、どこに注意すべきでしょう?
先ほど主格の文の特徴は、
関係代名詞の後ろに(助)動詞がくる
と説明しました。実は自分で作る時には、
後ろの動詞の型や時制を気にする
ことが大切なんです。
それでは例を挙げ、こんな日本語訳と穴埋め問題があったとします。
クミはテニスがとても好きな女の子です。
Kumi is the girl who ( ) tennis very much.
英作文で1から組み立てる講座は次回にするので、今回は穴埋め問題とします。
( )の前に関係代名詞のwhoは書いてあるので、先行詞が人か物かは解決しています。その後、「テニスがとても好き」というフレーズを先行詞のthe girlの後ろで説明したいところが今回のポイントです。
「主格whoの後ろで「好き」という一般動詞likeをおけばオッケーでしょ。」
ここが落とし穴なんです。
(不正解)Kumi is the girl who like tennis very much.
確かにlikeという動詞を選んだこと自体は正解ですが、
主格は先行詞を主語のように考え動詞を選ぶ
ことが大切なんです。まず時制は「現在形」、これは問題ありません。しかし一般動詞の主語を今回はthe girlだとすると、何か忘れてませんか?そうです、
(今回は)三人称・単数・現在のs
が必要なんです。
(正解)Kumi is the girl who likes tennis very much.
大事なのは、すぐ隣の関係代名詞whoの考え方です。
関係代名詞はもともとは先行詞と同じもの
なんです。
つまり、主格whoやwhichの横の先行詞が三・単・現だったら、一般動詞のsは当然考えるし、もし( )の部分にbe動詞を入れたい時、先行詞が複数形だったらare(were)など、その都度考える必要があります。
ここは本当によくつまずきやすいポイントなので、問題をたくさん解いたり、自分でたくさん英文を作ってみて、主格の感覚を掴んでください。
なお、私自身が独学で作ったWebアプリstrong>「がこない中学英語文法道場」においても文節分けの問題は多数用意してあるので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください(中3ページのLESSON5で関係代名詞の問題があります)。
それでは次回はいよいよラスト、関係代名詞の並び替えや英作文を作るコツについて解説します。