こんにちは、がこないのクボタです。今回から2回に渡って、中学国語文法で個人的に一番大事だと思っている「単語の分け方」について説明していきます。
単語分けは、中1で文節分けの次に習う単元です。でもなめてはいけません。単語分けは中3まで延々と続く、中学国語文法で一番大切な単元です。これが完璧でないと、今後習う単元は全てあやふやなまま進んでしまうので、しっかりマスターしましょう。
なお「文節分け」が完璧にできていることが前提なので、もしそこがまだ自信のない方は、以前書いた記事「文節の分け方 〜基礎からみっちり解説〜【中学国語文法】」を復習してから、こちらに進んでください。また、中2、中3の国語文法を学んでいる人も、もし単語分けが完璧でないのなら、何度も今回の講座を復習することをオススメします。それでは始めましょう。
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文節の分け方 〜基礎から間違えやすいものまで丁寧に解説するよ〜【中学国語文法】
中学1年生。新しく中学校の授業も始まって学校生活にも慣れ、教科書も少しずつ進んでいく中で、皆さんは「国語文法」という、何やら聞きなれない単語に出会います。f その中でも今回は、一番最初に習う重要な単元 ...
単語は意味の最小単位、必ず文節→単語の順に分けろ
文節の時と同様、単語分けの教科書的な説明をすると、
文節をさらに細かく分けた、意味の最小単位
となります。ここで大事なフレーズは「意味の最小単位」の部分です。中学校のテストでも、ここをヒントに「単語」と答えさせる問題はよく出るので、まずは覚えておきましょう。
では実際に問題を見てみましょう。
練習問題1
次の文を単語に分けなさい。
私は今日羽島に行く。
まずは文節で分けます。
ここまでは大丈夫ですね?「ネ(ヨ)」をつけて読んだ時、自然な意味の切れ目が文節の分かれ目になります。また、当たり前のことではありますが、
ことを意識してください。つまり、この時点で4単語以上は確定です。
ここから単語に分けに入りますが、基本的に、
各文節の中で、さらに細かく分けられる箇所はないだろうか?
という探し方をします。例えば「今日」という文節は、もうこれ以上分けられませんよね?「今日」は単語レベルでも「今日」なのです。
しかし、「羽島に」という文節を見てください。中1でまだ文法用語を知らなかったとしても、
という感覚はあるはずです。このように、
イメージも持ってください。「本体」という部分は、まだあいまいでも構いません。徐々に「分けるべき点」と「分けなくて良い点」の違いは説明していきます。
この文章では他にも、「私は」の文節で、「私」+「は」の2単語に分けることができます。
もうこれ以上は分けられませんよね?
つまりこの文は6単語に分けられることになります。今は簡単だから大丈夫と思いがちですが、必ず「文節」→「単語」の順で分けてください。後々その意味が分かってきます。
ではもう1問練習してみましょう。
練習問題2
次の文を単語に分けなさい。
今日も寒いので、私はこたつに入る。
まず文節に分けて、
各文節で、さらに細かく単語分けできるか見ていくと、
はい、以上です。ここまでは基本中の基本なのでしっかりマスターしましょう。
動作、状態の下に付くと2単語に分けるもの
では徐々に問題のレベルを上げていきます。
練習問題3
次の文を単語に分けなさい。
ケンは昨日、走って学校に行った。
文節分けに関しては、今まで通りです。
さらに単語に分けていく中で、非常に大切なポイントを紹介します。
このポイントは本当に大切です。
例えば「走った」なら「走っ/た」、「食べよう」なら「食べ/よう」、「見て」なら「見/て」のように分けます。
なお、「う(よう)」に関しては、「よう」があった場合はそちらを優先させてください。
中学1年生向けに、左側を「動作や状態」と書きましたが、中2以上の人でわかる人は、「動詞・形容詞・形容動詞・助動詞」と覚えても大丈夫です。
右側に置いた言葉は、おまけの言葉になりやすいもので、実際は「助動詞」や「助詞」と言います(「とき」は名詞)。中1の間は習わないことなので、今はこのフレーズごと覚えてしまいましょう。これらのおまけの言葉の前では、必ず単語を区切ってください。
それでは先ほどの問題で区切ってみます。
はい、このようになりました。「走っ/て」と「行っ/た」の部分が、先ほどのポイントになります。中学3年間ずっと大切にする知識なので、必ずできるようになってください。
それではもう1問練習してみましょう。
練習問題4
次の文を単語に分けなさい。
このパンが美味しければ、私は明日も食べます。
まずは文節で分けます。
単語分けに入ります。ポイント1の部分を特に注意して、各文節を見ていきます。
はい、完成です。「美しけれ/ば」と「食べ/ます」に気づけたならば、その感覚を常に持ち続けていてください。今後の単語分け問題には、このポイントが当たり前のように出てきます。
「〜する」は分けるな
では新しい問題を見てください。
練習問題5
次の文を単語に分けなさい。
夕食を食べてからゆっくり勉強する。
まずは今まで通り、文節で分けます。
ここで新しいポイントの説明をします。
これも毎年教えていて、非常に多くの中学生が引っかかるポイントです。
「勉強/する」と分けてしまうんですよね。
ただし「〜する」系の動詞、例えば「練習する」「反省する」「熱狂する」などなど、これらは全て1つの動詞です。中学2年生以上に向けて説明すると、1つの「サ行変格活用」の動詞なんです。だから絶対に途中で分けないでください。
紛らわしいのが、
という点です。
ポイントでも補足しておきましたが、「勉強をする」だったら、まず文節で「勉強を(ネ)/する(ヨ)」と分けられ、さらに単語で「勉強/を/する」と分けることができます。この場合の「勉強」は名詞として使っているので、紛らわしいですが「文節分け→単語分け」の順に分けていれば、最初から引っかかることはありません。
はい、このようになりました。「分けそうで分けない」ポイントも、分けるポイントと同じく大切なので、しっかりマスターしましょう。
ポイント1とポイント2の合わせ技問題
さて、ここまでポイント1とポイント2を順番に説明してきました。常にこれらを意識しながら単語を分けていってほしいのですが、さらに問題のレベルが上がるとこの2つは組み合わせて出題されます。
今回はまずフレーズだけで先に考えてもらいましょう。
このフレーズを単語で分けるとき、どう考えますか?
一番よく見るパターンが、「練習/して」と分ける生徒です。でも先ほどのポイントで「〜する」は分けないと習いました。次に多い回答が、ポイント2を意識して、「練習して」のように分けない生徒です。残念ながらこちらも間違いです。このフレーズは、次のような考え方をします。
つまりポイント1の考え方より、動詞「練習する」に「て」が続くときは、そこで分けます。
ポイント2の考え方より「練習」だけで分けてはいけません。
よって「練習し/て」のような分け方になるのです。
※画像では「勉強し/て」となっていますが、正しくは「練習し/て」です。(考え方は同じ)
ちなみに「練習し」とは「練習する」が、下に続く言葉によって音を変化させた状態で、このような現象を「活用」と言います。中学2年生で習う言葉ですが、今のうちに覚えておいてください。
では最後に実際の問題で考えてみましょう。
練習問題6
次の文を単語に分けなさい。
彼はいつも夜の十時まで練習していた。
それでは文節に分けます。
「練習して/いた」の部分は、最初に文節で分けておく方がミスが起こりずらいので、必ずこの順番を守りましょう。
それでは、先ほど説明した単語分けの考え方を当てはめてみましょう。
どうですか? 「練習し/て/い/た」の部分が今日話した内容のボス的存在です。入試で出されてもおかしくないレベルなので、今回できるようになった人は、必ず復習して体に染み込ませてください。
今回は以上になります。次回、最後にもう1つの大事なポイントを説明して、単語分けは完結です。
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単語の完璧な分け方をマスターせよ! その2 〜「だ」「です」の見分け〜【中学国語文法】
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※2022/5/24追記 新作記事で10問実践問題を出しました。最後の方多少難しいかもですが、頑張って解いてみてね。
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それではまた!