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単語の完璧な分け方をマスターせよ! その2 〜「だ」「です」の見分け〜【中学国語文法】

投稿日:2022年2月3日 更新日:

こんにちは、がこないのクボタです。

今回は2回にわたりお送りしている、中学国語文法の「単語の分け方」シリーズの後半になります。

単語分けは中3まで延々と続く、中学国語文法で一番大切な単元です。これが完璧に分けられないと、今後習う単元は全てあやふやなまま進んでしまうので、しっかりマスターしましょう。

なお今回の講座は、単語分けの中でも少し複雑な部分が多く、前回の記事「中学で習う関係代名詞を完全攻略その1 〜目的と作り方〜【中学英語文法】」がきちんと理解できていることが前提になります。

単語の完璧な分け方をマスターせよ! その1 〜基礎と間違えやすいポイント2つ〜【中学国語文法】

中学国語文法の中で最も大切な単元である「単語分け」を、現役塾講師のクボタが分かりやすく解説します!

また、中2、中3の国語文法を学んでいる人も、もし単語分けが完璧でないのなら、何度も今回の講座を復習することをオススメします。それでは始めましょう。



前回までのまとめ

前回単語分けの基礎から始めて、間違えやすいポイントを2つ説明しました。今回はその次のポイントになるので、ダイジェストでおさらいします。

単語分けは、これ以上分けられない意味の最小単位
必ず文節→単語の順に分ける
ポイント1:「動作・状態」+以下の語句が来たときは、直前で分ける
ポイント2:「〜する」系の動詞は分けない
補足:ポイント1とポイント2の合わせ技はよく出る

以上です、ここまででも一般的な中1の定期テストなら8割は十分に解けると思います。多くのひっかけ問題にも対応していますからね。

しかしテスト問題を作っている先生も、簡単には降参してくれません。あの手この手を使いながら、何とか満点を取らさないよう工夫してきます。そこでよく出されるのが、今回のひっかけパターンです。

「〜だ」「〜です」の見分け

それではまず問題を見てみましょう。

練習問題1

次の文を単語に分けなさい。
私の兄はいつも元気だ。

まずは文節で分けます。

「〜だ」「〜です」は分ける時と、分けない時がある

ここからが一番大事なポイントです。

単語分けを考えてみてください。「私/の」と「兄/は」は簡単ですね?

問題は「元気だ」の部分です。実はここ、「元気/だ」と分けてしまうとバツになるんです。何となく「元気」という、それだけで成立できる日本語に、おまけで「だ」をつけている感覚があるので、みんな最初はこう書いてしまいます。これは「元気です」のように、「〜です」バージョンも同じです。

では、全ての「だ」「です」は分けないと覚えればいいのか?

実はこの考えも間違いです。

今回はたまたま「元気だ」=1単語が正解なのですが、語句によっては2単語に分ける場合も存在します。

分ける or 分けないの考え方と、テクニック

まずは次の考え方の部分をしっかりと見てください。

一言で言うと、「だ」「です」の上にくるものが、「状態」ならば分けず、「名詞」ならば分けることになります。

最初は大雑把なイメージで構いません。「きれい」「穏やか」「正直」というのは、あるものの様子や人の性格を表しています。これが「状態」で、この時には分けません。中2以降に習う品詞名では「きれいだ」「穏やかだ」「正直だ」、これらは全て「形容動詞」ととなります。

一方で「クボタ」「岐阜」「大学生」は、全て人や物を表す「名詞」になります。

この場合2単語に分けることになるのですが、中2以降に習う品詞名としては、前半の「クボタ」「岐阜」「大学生」が「名詞」、後半の「だ」「です」が「助動詞」になります。

繰り返しになりますが、まずは考え方から覚えてください。ある程度はイメージの部分で見分けることができます。

ただし、人のイメージには個人差がありますよね? 自分のイメージでは「状態」だと思っていたものが、実際は「名詞」だったり、あるいはその逆だったり。よって、正確に「状態」か「名詞」かを見分けるために、有名なテクニックをお教えします。

紛らわしい時は「だ」「です」→「な」に変える

この方法は非常にシンプルで簡単です。「だ」「です」を「な」に変えてみる。例えば「きれいだ」なら、「きれいな」

自然か不自然の判断は、例えば下に適当な単語を置いてみてください「きれいな人」「きれいな着物」「きれいな夕日」など、自然ならばこのようにスムーズにつながります。よって、「きれいだ」は分けません。これで1単語の形容動詞となります。

一方で「クボタだ」を「な」に変換すると、「クボタな」になります。

「クボタな人」「クボタな授業」、、、明らかに変ですよね? この状態を不自然とみなします。よって「クボタ/だ」は2単語に分けることになります。(品指名は「名詞」+「助動詞」)

では、最初の問題でこのやり方を当てはめてみましょう。

はい、「元気だ」の部分は「元気な」としても自然ですね? よってこの部分は分けず、トータルは5単語になります。



練習問題2

次の文を単語に分けなさい。
私の兄は来年高校生だ。

それではコツを掴むためにもう1問やってみましょう。

考えるべき点は「高校生だ」の部分ですね? それでは先ほどのやり方を当てはめてみましょう。

「高校生だ」の部分は「高校生な」に変換すると不自然ですね? よって2単語に分けると判断し、トータルは6単語になります。

「〜で」「〜に」も、全く同じルールを適応できる

最後に補足です。実はこの「〜だ」「〜です」の見分け方の考え方、テクニックは全て、

「〜に」「〜で」というフレーズでも全く同じ

ように使えます。

最初から「だ」「です」「で」「に」の見分けとしても良かったのですが、いきなり数が多いと覚える気がなくなります。また実際の問題では「だ」「です」を使った場合が圧倒的に多いので、まずはそちらを優先して覚えてもらいました。

最後に練習として、「で」の見分けを解いて終わりましょう。

練習問題3

次の文を単語に分けなさい。
彼女の指導はとても丁寧で助かった

まずは必ず文節分けからスタートします。

ここで先ほどのポイントを意識します。今回は「丁寧で」の部分で「な」の見分けを使うことができます。

「丁寧で」を「丁寧な」と変換しても自然ですね? よって分けずに1単語の形容動詞とみなし、トータルは8単語になります。

以上です。2回に分けて単語分けの講義をしてきましたが、あとはどれだけ問題で経験を積むかです。今回紹介した3つのポイントを常に意識しながら、学校や塾のワークなどで問題を解きまくって、自分の苦手とする傾向をつかんでいきましょう。

なお、私自身が独学で作ったWebアプリ「がこない中学国語文法道場」においても単語分けの問題は多数用意してあるので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

また、中1国語文法の順番として次に習う単元は「文節と文節の関係」になります。

単語分けと同じレベルの詳しさで記事を作成しましたので、今後とも定期的に活用してください。

主語と述語の関係・修飾と被修飾の関係をマスターせよ・文節と文節の関係1【中学国語文法】

中学国語文法の中で意外に疎かにされやすい単元である「文節と文節の関係」を、現役塾講師のクボタが分かりやすく解説します!




最後に1万回以上視聴されている私の単語分け講座の動画バージョンはこちら。

はっきりとモチベーションに繋がるので、よかったら高評価やチャンネル登録してね。

※2022/5/24追記 新作記事で10問実践問題を出しました。最後の方多少難しいかもですが、頑張って解いてみてね。

【文法問題13】単語分けばかり10問一緒に解こうぜ【テスト対策編】【がこない中学国語文法道場】

中学国語文法の問題を解き続けるシリーズ、今回は定期テスト対策で単語分けのみに特化した問題です。

それではまた!

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