中学3年生の終盤にやってくる、中学英語最後の大物「関係代名詞」。何となく「人ならwho」「物ならwhich」などテクニックだけに暗記してしまいがちですが、ここではしっかりとその目的と作り方、さらには英作文までのコツを教えます。
そもそも関係代名詞の目的って?
そもそも「関係代名詞って何だ?」「何でこんなことするの?」と疑問に思ったことはありませんか?
このような疑問を抱く前からいきなり繋ぎ方、作り方、訳し方を教え込まれると、関係代名詞が難解なフレーズとして頭に定着してしまいます。では目次をご覧ください。
日本語で状況を考えてみる
まず日本語でこんなシチュエーションを考えてみましょう。
はい、こんな感じです。シンプルな短文を2つ並べただけで、意味もよく伝わりますね。ただ日常生活で普段会話しているときに、
「めんどくさいから一気に言いたいなあ。」
って思うことありませんか?言い換えると、
「これくらい1文でにまとめて言った方が楽でしょ。」
と思った人もいるでしょう。では、そうなるように日本語を考えてみてください。こんな感じになるはずです。
こんな感じになりますね。関係代名詞はこのように、「とにかく面倒だからまとめて説明しちゃおう。」というシチュエーションで使われる用法です。
関係代名詞の作り方
基準の名詞になるものが「先行詞」
ここで注目して欲しいのは
何を基準にまとめるか?
です。
先ほどの日本語では、2つの文章中に共通して出てくる名詞は「友達」と「彼」です。ここでは代名詞で言い直した場合も同じということにします。
赤字でも示したように、
「友達」という部分で、後ろの説明もまとめればいい
ことが分かります。英語ならきっとa friendでまとめるイメージでしょう。
ここで話は英語に戻します。関係代名詞では、この基準となる名詞のことを「先行詞」と言います。関係代名詞を作るときには、この先行詞を常に意識しておく必要があります。逆に先行詞さえ間違わなければ、あとはルール通り繋げたり、ルール通り訳すだけで、中学英語レベルの関係代名詞はバッチリです。それでは先ほどの日本語を英語にして、関係代名詞で繋げてみましょう。
先行詞が人ならwho(that)、物ならwhich(that)で繋げる
練習問題1
I have a friend.
He is from Aichi.
この2文を関係代名詞で繋げたい時の手順を順番に説明します。
1.共通した2単語を見つけ、前者(繋がれる側)を先行詞とする
ではまず1から見ていきます。この2つの文で共通している単語を見てみましょう。
まずは共通する単語に注目できるようになりましょう。今回はa friendとHeになります。このうち、前半部分のa friendが先行詞となります。
2.後者(繋ぐ側)の名詞を、先行詞が人ならwho(that)、物ならwhich(that)に変える。
次に見るべき点は、共通する語のもう片方(代名詞のHe)です。実はここを変化させるので、関係代名詞という名前が付いているんですね。今回は先行詞が「人」なので、関係代名詞のwhoに変化させます。
3.先行詞と関係代名詞は磁石のようにくっつき、残りの文は写すだけ。
こんな感じで繋げたら完成ですが、ここが一番重要なポイントです。
先行詞が出た瞬間に関係代名詞を磁石のようにくっつける
ことを意識してください。今回はたまたま、前半の文の最後の単語a friendを先行詞とし、後半の文の先頭Heを変化させたので、そのままとなり合った状態の完成形になっていますが、もし仮に、先行詞と関係代名詞が離れている場合は、磁石のようにくっつけてください。試しに次の文で考えてみましょう。
先行詞と関係代名詞はとなり合う
練習問題2
I have a pen.
I bought it in Nagoya.
では先ほどと同じように、共通する語から見つけていきましょう。なお、IとIは繋げられないので、それ以外で見つけてください。
1.共通した2単語を見つけ、前者(繋がれる側)を先行詞とする
見つけられましたか?どんどん進みます。
2.後者(繋ぐ側)の名詞を、先行詞が人ならwho(that)、物ならwhich(that)に変える。
どうですか?先行詞が物バージョンですね。最後にこれを繋げてみましょう。
3.先行詞と関係代名詞は磁石のようにくっつき、残りの文は写すだけ。
はい、ここでダメな例を先に書きました。先行詞a penは「物」なので、後ろの代名詞itは関係代名詞のwhichに変化しました。しかしwhichは元いた場所のままです。これでは磁石のようにくっついていませんよね?
では訂正して、先行詞と関係代名詞は磁石のように、必ず隣に並べるようにしましょう(高校英語では例外あり)。
その後残った部分は、1文字も漏らすことなく写しましょう。もちろん最初にあったitは書いてはダメですよ。もうwhichとなって前に出てしまったのですから。
これで完成です。あとはどんどん練習を重ねてていけば、感覚がつかめてくるはずです。
文頭先行詞のサンドイッチ型に要注意!
では次の文で、先ほどと同じルールを適用させてみましょう。
練習問題3
The man is Tom.
He is talking with Kumi over there.
先ほどと同じように、共通する語から見つけていきましょう。なお、前の文のThe manもTomも、後ろの文のHeと同じなのでどちらで繋げようか迷う時は、「より一般化された言葉」の方で繋げるとしっくり来やすいです。今回なら具体的な名前のTomよりも、一般的な名詞のThe manに繋げてみましょう。
1.共通した2単語を見つけ、前者(繋がれる側)を先行詞とする
どんどん進みます。
では繋ごうとしてみてください。
はい、今回も先にダメな例を書いてみました。先ほどと同じミスなのですが、
最初の文を書いてから後ろの文を繋げる
と勘違いしている人は、こんな風に繋げてしまうのです。これでは磁石のようにとなり合っていません。つまりこう考えましょう。
先行詞が文頭にある時は、そこで関係代名詞を使って後ろの文を繋ぐ
前の文の残りを、忘れずに書き切る
結果的に後ろの文が、前の文に挟まれるような形になる(サンドイッチ型)
このようになります。このサンドイッチ型は、普段授業で教えていて本当に間違いの多いところなので、是非ともマスターしてください。何度も言います。
先行詞が文頭に来たら、サンドイッチ型を意識しよう
なお、今回使った関係代名詞はwhoとwhichですが、実はどちらもthatで繋げることができます。ただしthatを最初に覚えてそればかり使い始めると、whoやwhichの問題が解けなくなってしまので、今回は最後に説明しておきました。
それでは次回、関係代名詞をまた違った角度で種類分けします。「関係代名詞の格」の説明に入りますので、引き続きよろしくお願いします。