こんにちは、がこないのクボタです。私はこのブログのタイトルにもある通り、様々なことを独学で挑戦してきました(独学で始めて、一時的に習い事に切り替えたものもあります)。
子供の頃から独学で始めたものといえば、中学の頃に始めたギター、高校では大学受験や簡単な作曲、ベースギター、大学以降ではDJ活動やビートメイキング、ただなんとなく作ってきた音楽によりバリエーションをつけるための音楽理論などが挙げられます。そんな中で今回は私が30代以降で新しく独学で始めたピアノについて簡単に紹介していこうと思います。
経緯
これは実は20代の頃からずっとやりたいと思っていたことでした。10代の頃、独学でギターを始めたころの私はむしろピアノを軽視している少年でした。理由は簡単、好きなジャンルの音楽やバンドにピアノ担当なんてメンバーは一人もいなかったからです。当時の私には、やはりサウンド的にもド派手にソロを弾くギターや、キラキラ光って見えたボーカルにばかり目が行き、その他の楽器がどれほど大事なことをしているのか、全く頭にありませんでした。
自分の音楽活動が本格化していくうちに、ギターで作曲をするようになりました。最初はバンドの曲を作ったりするだけでしたので、ギターでコード(和音)をかき鳴らすだけで何となく曲を作っていました。ギターは譜面が読めなくてもタブ譜という文化があり、指板のどこを押さえれば良いのかは、初心者でもタブ譜を見れば視覚的に認識できます。極端な話をすれば、譜面が読めないまま売れたバンドもあるくらいです(もちろんプロの編曲者をつけることもありますが)。
私がピアノに興味を持ち始めたのは、20代を過ぎてからです。作る音楽のジャンルがだんだんクラブミュージック寄りになっていき、スケッチ段階でギターで曲の構成を作る手法に多少のマンネリ化を感じていた頃でした。楽器には良くも悪くもその楽器の得意とするキーやフレーズがあり、もちろんギターでも本当に上手い人は多種多様なジャンルの音楽を作れますが、ピアノ(鍵盤楽器)の万能性はその頃から徐々に感じ始めていました。その頃はバンド活動も忙しく、「小学校の頃ピアノを習っていればなあ。」「今から習いに行こうかなあ。」など漠然と思っていただけで、行動に移すことはできませんでした。
ピアノを独学で始めて
20代後半にバンドは解散し、岐阜に戻り塾の講師をしながら、ゆっくりとしたペースでクラブミュージックのビートを作ることになるのですが、この頃になるとDTMといってパソコンを使った作曲ソフトや、入力装置としてMIDIキーボードも持っていました。DTMは作曲のソフトで演奏データ(シーケンス)を作成すれば、あとはコンピューターが自動で演奏してくれるので、MIDIキーボードはあくまでもその入力装置であって、必ずしも鍵盤が弾ける必要はありません。
そのような環境で仕事8、音楽2くらいの力の入れようで生きていたのですが、30代に入った頃、少しずつ余暇の時間も取れるようになってきたので、「どうせなら少しずつ鍵盤の練習を始めてみよう。」と思い立ち、スタジオジブリのテーマソングの譜面を買ってきて、「もののけ姫」の中の有名な挿入曲である「アシタカせっ記」を練習し始めました。最初の目的は、
譜面をゆっくりで良いので読めるようになる
両手がバラバラに動くようになりたい
です。
このような目標で、運指練習などの基礎練習からではなく、いきなり曲から始めることになります。
初心者ボーナスはいつだって楽しい
ピアノの練習は右も左もわからないまま始めることになるのですが、当時は毎日2〜3時間練習に当てていました。ピアノガチ勢から見れば大したことない時間ですが、仕事と両立させる中ではそこそこ積極的に時間を作って当てていました。実際この期間はDTMでの作曲は一旦休止しています。初心者なので、昨日引けなかったフレーズが弾けるようになる喜びや、ギターやベースなどの経験があったので音楽自体が全くの初心者ではなかったこと、ギター自体に楽器に挫折しなかったという事実も、根気よく私をピアノに向かわせる原動力になりました。ゲームで例えると私はRPGの序盤をクリアするのが本当に好きなんですが、「努力すればするだけ、目に見える形でレベルが上がっていく」状態が好きなのでしょう、本当に毎日楽しく弾いていました。
独学の問題点・お手本がない
そんな感じで少しずつ進歩していく中で、同時に独学ならではの問題点に直面することになります。これは独学全般のテーマでいつか書くつもりですが、簡単に挙げると、
自分の譜面の読み方が100パーセント合っているか不安
指の運指や音の伸ばし方が我流過ぎて不安
のような疑問が湧いてきました。その楽譜にお手本のCDや演奏時の姿を映したDVDでも付いていれば別なのですが、教則本ならばまだしも、曲自体の譜面に普通は付いてきません。譜面の読み方というのは、作曲者の解釈を読み取るなんて高尚なものではなく、本当に単純にこの音で合ってるかどうか、という意味です。Youtubeなどで「アシタカせっ記」のプロの演奏を聴いても、当然今自分が使っている譜面通りに弾いているバージョンなどあるわけがなく、もっと難しくアレンジされたものばかりでした。このブログでは独学の勧めをたくさん書くつもりですが、もちろんこのようなデメリットも存在するわけです。
解決策・期間を決めて習いに行く
解決策は非常にシンプルで、近所の楽器店のピアノ音楽教室に半年間、週1で習いに行きました笑
本当は個人宅のピアノの先生を探そうかとも思ったのですが、中年男性が一人で申し込んだら敬遠されるのでは、、、などと思い、より一般的な楽器屋の奥の練習スペースなでで開催されている楽器コースに申し込むことにしました。週1回30分月謝8000円、担当された先生は20歳の芸大に通われている女性の方でしたが、懇切丁寧に指導してくださいました。
何より当初私が独学で抱いていた不安は、まさに悪い意味で当たりました。譜面のある部分を1オクターブ下に読んでいたり、ハ長調以外の譜面でシャープやフラットの音をごく稀に見落としていたり、無理な運指で覚えていたり、、、出るわ出るわのオンパレード。逆に変な癖がつく危険性もあったかもしれません。というわけで、半年間で、アシタカせっ記を通しで弾くだけでなく、その他何曲かその本に載っていたジブリの他の曲も弾けるようになりました。最初から半年間と決めていたので、そこでペダルを踏むタイミングや譜面の読み方も、こういうフレーズはこの運指の方が楽など、先生から盗めることは常に盗もうとしました。
個人的に独学で詰まったあと、素直に習いに行った経験は初めてだったのですが、今までの独学人生でも、頑なに自力で頑張ろうとし過ぎた部分もあったのかなあと良い意味で新たな発見になりました。現在もペースは落としながらもピアノに触れてはいますが、また新たな壁を感じたら習いに行くかもしれません。ただし「期間を決めて習いに行く」というスタイルは大事だと思います。だらだら続ける習い事は小学生の時の習字とスイミングでもうお腹いっぱいですからね。
というわけで今回はここまでです。