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連体詞と副詞の見分け方・必ずペアで覚えよう・品詞の分類7【中学国語文法】

投稿日:2022年6月26日 更新日:

どうも!がこないのクボタです。

今回は中学国語文法「品詞の分類」の第7回になります。今回は品詞の分類の講座の中では最重要項目である「連体詞と副詞」の説明になります。

初めて品詞を習う中学生が、最初につまずくのがこの2つ。丁寧に説明していくのでしっかりとついてきてください。

この単元の前に、「自立語と付属語」を完璧に抜き出せることが大前提となるので、そちらがまだ不十分な方は以前の記事をご覧ください。

自立語と付属語の抜き出しは、結局文節・単語分けって話【中学国語文法】

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また、まだ10品詞の名前があやふやな方は、先に前回紹介した導入編をご覧ください。

10品詞をまずは大雑把に理解しろ!品詞の分類1・全体の概要と導入編【中学国語文法】

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それでは本日のまとめを先にどうぞ。

連体詞と副詞のまとめ

それではやっていきましょう。



連体詞・副詞の基本的な考え方

まずは連体詞と副詞、中1〜2で初めて習う場合は、おそらく名前自体を聞いたことがない人がほとんどでしょう。

後から2つの品詞の定義を勉強すればわかるのですが、特に「連体詞」は名前が勉強内容に直結しているので、必ず間違えずに漢字で覚えてください。

さて、今まで品詞を1つずつ説明してきた私が、今回だけはまとめて2つ紹介しています。

その理由はどちらも

何かにかかっている(修飾している)

点が共通しているからです。

つまり連体詞と副詞は別々に覚えていくよりも、一気にまとめて理解した方が効率的だからですね。

今回は「かかる(修飾する)」という表現を多く使いますが、簡単に言えば「詳しくすること」です。この言葉自体は、以前「文節と文節の関係」で説明しています(修飾・被修飾の関係)。

主語と述語の関係・修飾と被修飾の関係をマスターせよ・文節と文節の関係1【中学国語文法】

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ただし今回は品詞なので、文節ではなく単語にかかります(単語レベルで考える)。その点だけ注意してください。

以上の点を踏まえて、連体詞と副詞の基本的な考え方を見てください。

連体詞、副詞の定義

定義は必ず言えるようになってください。

連体詞は活用なしで体言にかかる自立語

副詞は活用なしで用言にかかる自立語

後から説明しますが「活用なしで」の部分を絶対に省略しないでくださいね。

この定義の中で「体言」「用言」という言葉が出てきます。

体言とは名詞のこと

用言とは動詞・形容詞・形容動詞のこと

これらはもう習っているので復習レベルですが、体言・用言がそれぞれどの品詞を指しているか言えるようになること。

つまり言い換えるなら

連体詞は活用なしで名詞にかかる

副詞は活用なしで動詞・形容詞・形容動詞にかかる

ということになります。

練習してみましょう。

連体詞、副詞の簡単な練習

傍線部がどこにかかっているのか、コツは問いかけながら探すこと。

この、、、何なの?→この「本」つまり名詞(本)にかかっているから連体詞

ゆっくりと、、、どうしたの?→「話し(た)」つまり動詞(話す)にかかっているから副詞

とても、、、どうなの?→「暑い」つまり形容詞(暑い)にかかっているから副詞

あらゆる、、、何なの?→「問題」つまり名詞(問題)にかかっているから連体詞

連体詞、副詞の簡単な練習・答え

今のところめちゃくちゃ簡単ですね。

これだけでも連体詞・副詞の基本的な問題には対応できています。



連体詞と副詞の注意すべき点

ここから、みなさんがつまずきやすいポイントを順番にカバーしていきます。

もし難しくてよくわからないと感じることがあったら、最初は理解できる部分まででも構いません。それだけでも十分成長していますから。

特に活用の話は、次の単元である「用言の活用」を勉強して初めて完璧な理解が得られます。初学者は一度で全て理解しなくてもよいくらいの気楽さでいきましょう。

では進みます。

連体詞・副詞は「活用なし」が重要

ではさっそく、次の短い傍線部問題を解いてください。

連体詞、副詞と活用の関係

連体詞や副詞を見つけようとする意識で一番大切なのは「何(どこ)にかかっているか」、それは間違いありません。

「あの」は「人(体言)」にかかっているから連体詞

「ゆっくり」は「歩く(用言)」にかかっているから副詞

これは正解です。しかしその他の部分、

体言にかかっていたら連体詞

用言にかかっていたら副詞

とだけ覚えて解こうとすると、

「勉強する」は「人(体言)」にかかっているから連体詞

「速く」は「歩く(用言)」にかかっているから副詞

としてしまいます。

冷静に考えればおかしいことが分かりますよね。

すでに習ったように「勉強する」は言い切りがウ段の「動詞」、「速く」はもともと「速い」だから、言い切りがイ段の形容詞です。

つまり「勉強する」や「速い」などの用言(動詞・形容詞・形容動詞)も活用させることで体言や用言にかかることができるのです。

中2で今後習いますが、文法的には「勉強する」は動詞の連体形、「速く」は形容詞の連用形と言います。

もう一度繰り返しますが

連体詞は「活用なし」で体言にかかる自立語

副詞は「活用なし」で用言にかかる自立語

この「活用なし」の部分が大切なのです。

「あの」「ゆっくり」はどうこねくり回しても「あの」「ゆっくり」のままですよね?

つまり活用できないと判断して、初めてそれぞれ「連体詞」「副詞」と判断できるわけです。

そこで「勉強する」「速い」のように、下にいろいろ繋げれば活用できてしまう語は、たとえ体言・用言にかかっていても連体詞・副詞とはしないでください。

連体詞、副詞と活用の関係2



副詞は離れてかかることが多い

次の間違いやすいポイントは、副詞に限った話です。

まずは1問だけ、こちらの問題を考えてください。

副詞の注意点1

はい、「やっぱり」という部分の品詞を考えます。実際は10個の品詞全ての可能性を考えながら解くので、中には文頭で文をつなげていると判断して、「接続詞」と答えてしまう人がいます(もちろん間違い)。

ヒントにも示しましたが、「やっぱり」がどこにかかっているのか判断します。

そのとき、何も考えずに、

すぐ右の「彼」にかかっているから連体詞でしょ

と安直に答えてしまうと、これもバツです。

きちんと問いかけるように、修飾する部分を探すと結論は、

やっぱり、、、どうしたの?→「やめ(よう)」つまり動詞(やめる)にかかっているから副詞

つまり文頭から、一番最後の文節にかかることになります。

副詞の注意点2

このように

副詞は離れてかかることが多い

が多いので、きちんと問いかけながら探してあげましょう。

それでもかかる部分がうまく探せないという人には、私からとっておきのコツを伝授します。

副詞はかかる部分まで移動させることができる

このことを覚えておきましょう。

具体的には、

やっぱり彼の話を真面目に聞くのはやめよう。

彼の話を真面目に聞くのはやっぱりやめよう。

このようにかかる直前まで移動させても、意味としては全く同じニュアンスを保っています。

逆に勘違いされやすいと言った「彼の」の部分は、見事に飛び越えていますよね。日本語は英語と違い、後ろ→前に戻ってかかることはないので、この時点で「やっぱり」は「彼」にかかっていないと判断できます。

副詞の注意点、結論

このように、ある副詞がどの部分にかかっているか自体を聞いてくる問題も、実際に岐阜県一般公立入試では出されたことがあります。

単なる品詞問題を超えたレベルで出題されることもあるので、この副詞の特性をしっかりと覚えておきましょう。



連体詞の定番「な」の見分け

最後は連体詞だけの定番ひっかけ「な」の見分け問題です。

これは高校入試の文法問題ではあまりにも有名で、品詞全体の中でのひっかけとしてもトップレベルの頻度を誇ります。必ず見分け方をマスターしておきましょう。

それでは短いフレーズ問題で説明します。

連体詞と「な」の見分け

当然ですが傍線部「小さな」「きれいな」「微かな」「大きな」を全て体言にかかる連体詞と答えるのは、あまりにも安直すぎます

見分け問題というだけあって、答えは2種類。そこで、便利な見分け方を紹介します。

「〜な」の問題は「な」の部分を「だ」に置き換える

これだけです。その結果、

自然な日本語・・・形容動詞

不自然な日本語・・・連体詞

という判断の仕方までを1セットで覚えましょう。

今の問題に当てはめるとこうなります。

連体詞と「な」の見分け・結論

自然につながるものは形容動詞です。

例えば「きれいな」は「きれいだ」としても、日本語として自然です。

これは元々「きれいだ」という形容動詞が、「きれいだろ(う)」「きれいだっ(た)」「きれいな(人)」「きれいなら(ば)」にように活用できるから当然なんです。

その中の一部分「きれいな」を指しているだけなので、品詞名としては形容動詞(の連体形)になります。

それに対して、「大きな」に「だ」を当てはめると「大きだ」となり、明らかに不自然ですね。

この時点で形容動詞ではないことが判明します。実は「大きな」は、「大きな」のまま下の体言にかかることしかできません。つまり活用しない体言にかかる自立語なので連体詞扱いになります。



「大きな」は形容詞じゃないの?

ここで最後の補足。文法を勉強している人ほど「な」の見分けをした後に、

そもそも「大きな」って形容詞じゃないの?

という疑問を持ちます。この疑問自体は文法力があるという証明です。これからもどんどんそういうツッコミ意識を持ちましょう。

結論から言えば、やはり「大きな」は形容詞ではなく連体詞です。

その理由は、今後習うことになる部分からの知識で申し訳ないのですが、

形容詞に「な」を表す活用の音は存在しないから

と覚えておきましょう。図で表すとこんな感じ。

連体詞と形容詞の違い

簡単に言えば、形容詞「大きい」を体言(人)にかけたいなら、

「大きい人」

で済むからです。わざわざ「な」にする必要がないんですね。

「大きな」は確かにその起源は同じ「大きい」なのですが、体言にかかるためだけの語として枠外にはみ出てしまいました。よって「大きな」は「大きな」のままでしか存在しないと考えられ、活用しない自立語である「連体詞」扱いされることになったのです。

この中身の説明が難しい人は、先ほどの「な」の見分け方とその結論(形容動詞か連体詞)部分だけを暗記でも構いません。入試定番のテクニックなので、今マスターしてしまいましょう。



まとめ

では今回のまとめをもう一度ご覧ください。

連体詞と副詞のまとめ

今ならこれらの意味がしっかりと理解できましたね?

連体詞と副詞は初心者キラーとして皆さんを苦しめてきますが、基本部分の理解ができればほぼ対応できます。

さらに連体詞と副詞に関する発展レベルの記事を作成しました!

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次回は、活用しない自立語の接続詞を説明します。

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それではまた!

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