どうも!がこないのクボタです。
今回は中学国語文法「品詞の分類」の第8回、「接続詞」の説明になります。
10品詞の中ではかなり簡単と言われている接続詞ですが、油断すると間違えてしまう部分も実は多く含まれています。
この講義では基本からモヤっとする部分までを丁寧に解説しますので、完璧な理解を目指しましょう。
この講義をきちんと理解することで
接続詞を完璧に抜き出せるようになる
ことを現役講師のクボタが保証します!
なおこの単元の前に、「自立語と付属語」を完璧に抜き出せることが大前提となるので、そちらがまだ不十分な方は以前の記事をご覧ください。
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自立語と付属語の抜き出しは、結局文節・単語分けって話【中学国語文法】
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また、まだ10品詞の名前があやふやな方は、先に前回紹介した導入編をご覧ください。
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10品詞をまずは大雑把に理解しろ!品詞の分類1・全体の概要と導入編【中学国語文法】
中学国語文法の中でトップレベルに大切な単元である「品詞の分類」を、現役塾講師のクボタが分かりやすく解説します!
前回の連体詞と副詞の講義はこちら。
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連体詞と副詞の見分け方・必ずペアで覚えよう・品詞の分類7【中学国語文法】
中学国語文法の品詞で初心者を悩ませる2トップの連体詞と副詞を、現役塾講師のクボタが分かりやすく解説します!
それでは本日のまとめを先にどうぞ。
それではやっていきましょう。
接続詞の基本
みなさん作文を書くときに、続きの文の頭で何か繋ぎのフレーズを入れてあげようと思ったことはありませんか。
それらの多くが接続詞と呼ばれるもの(引っかかりやすいものは後で説明)なので、まずは簡単に接続詞を抜き出してもらいましょう。
次の文章中から、接続詞を抜き出してください。
(1)今日は暑い。だから、アイスが食べたい。
(2)私はアイス、またはかき氷が食べたい。
最初は「なんとなく繋いでいるイメージ」だけで抜き出してもらって構いません。普段使っている日本語の感覚を信じてみましょう。答えはこんな感じ。
(1)今日は暑い。だから、アイスが食べたい。(「だから」が接続詞)
(2)私はアイス、またはかき氷が食べたい。(「または」が接続詞)
簡単でしたね。
接続詞とは文と文だけではなく、(2)「アイス」と「かき氷」のような語句と語句を繋ぐ場合にも用いられます。
ここで接続詞の定義をきちんと説明すると、
活用なしで文や文節を繋ぐ自立語
となります。活用なしの部分は後ほど触れるとして、大事なのは「自立語」の部分。
「自立語と付属語」の講義で説明したように、これらは全て単語レベルの話です。
今回の「だから」「または」などは全て1単語の接続詞扱いなので、変なところで区切らないようにしましょう。
接続詞の基本部分は以上です。簡単ですよね?
これだけでもある程度の問題は解けます。まずは接続詞は簡単だと自信を持つことが大事ですね。
ここで接続詞の他の例を一覧にして見てもらいます。どれも作文で使ったことがあるフレーズばかりですよ。
ちなみに繋ぐ役割として「順接」「逆接」「並立・累加」「説明・補足」「対比・選択」「転換」の説明は別記事にて補足予定です。
注意点としてこれらの接続詞の中には、元々は別の品詞だったものや複数の品詞が組み合わさったものもあります。
しかし、今日ではこれらの接続詞は全て1単語扱いです。「したがっ/て」「それ/で」のように、単語で分けようとしないと覚えておきましょう。
接続詞と間違えやすいもの
では次に、先ほどの接続詞と同じように繋いでいる感覚があるのに、すぐに接続詞としてはいけないものをいくつか紹介していきます。
テストで差がつくのはこの部分なので、しっかりと理解してください。
接続詞と接続助詞の違い
まずは次の傍線部の品詞を考えてください。
(1)今日は暑いので、アイスが食べたい。
(2)彼が本気で勉強すれば、合格するだろう。
どちらの文章も文と文を繋いでいる感覚がありますね。
「ので」「ば」どちらも繋いでいるので接続詞だ!
こうなりがちですが、もう一度接続詞の定義に戻りましょう。
接続詞は活用なしで文や文節を繋ぐ自立語
今回活用はしていませんが、引っかかってくるのが「自立語」の部分。試しに文節・単語分けをすればすぐにダメな理由が分かります。
(1)今日/は/暑い/ので、/アイス/が/食べ/たい。
(2)彼/が/本気で/勉強すれ/ば、/合格する/だろ/う。
自立語は各文節の頭の1単語です。よって「ので」「ば」はどちらも付属語、実はこれらは品詞としては助詞扱いなんです。
これは中3の「助詞の分類」の単元になりますが、付属語の助詞の中にも文と文を繋ぐ役割のものがあります。これらは「接続助詞」と分類されますが、あくまでも今回のような10品詞の枠組みの中では助詞扱いになります。
つまり、なんでもかんでも繋いでいたら接続詞というのは間違いということですね。定義の部分を大切にしてください。
接続詞と用言の連用形の違い
次は先ほどより簡単。次の傍線部の品詞名を考えてください。
(3)今日の気候は穏やかで、春らしくなった。
(4)彼は懸命に走り、見事入賞することができた。
どちらも「、」で下の文に繋がっているような印象ですが、先ほどと同じように文節・単語分けするとこんな感じ。
(3)今日/の/気候/は/穏やかで、/春らしく/なっ/た。
(4)彼/は/懸命に/走り、/見事/入賞する/こと/が/でき/た。
もう分かりますね?
「穏やかで」「走り」はどちらもこれで自立語です。さらに、元の語(言い切りの形)をイメージすれば「穏やかだ(形容動詞)」「走る(動詞)」となります。(「で」は形容動詞の一部扱い)
ここからは中2の「用言の活用」を習った人向けの説明になりますが、「穏やかで」も「走り」も活用形の観点から見れば連用形になります。
連用形とは読んで字のごとく「用言に連なる」役割を意味します。
「穏やかで」も「走り」も「、」で下の文に繋がろうとしているために、元の形を連用形に活用させているんですね。
接続詞と接続語の違い
最後に、そもそも中1で習った「接続語」と今回の「接続詞」の違いは一体どこにあるのでしょうか、この疑問を解決していきましょう。
文と文を繋ぐイメージは「文節の関係」の単元において「接続の関係(接続語)」で聞いたことがあるフレーズです。
じゃあ「接続詞=接続語」なの?
これは半分正しくて、半分間違いです。
中1の頃に習った接続の関係の図をもう一度ご覧ください。
ここで注目すべき点はこれだけ。
接続語は1文節扱い
接続詞は1単語扱い
つまり、そもそも考える枠組みの単位が違うんですね。
例えば上にあるような
今日は/暑い。/だから、/アイスを/食べた。
における「だから」はこれ自体が1文節扱いの接続語です。
ただし、単語として見た場合も「だから」は1単語の自立語なので、接続詞と見ることもできます。
では次の文章だとどうでしょうか?
暑いので、/アイスを/食べない。
この文における接続語は、1文節扱いの「暑いので」になります。「ので」だけで接続語としないように、以前の講義で触れましたね。
ではこの場合、先ほどと同じように「暑いので」=「接続詞」って言えますか?
もちろん無理なのは、「暑い/ので」が2単語扱い、さらに繋いでいる役割は付属語の「ので」が担っているからです。
先ほど文と文を繋ぐものには付属語の場合も含まれると言いました。
つまり「ので」は接続助詞扱いなのです。
まとめると、「接続語」とは単語よりも大きな「文節」単位の考え方であり、
「接続語」には「接続詞」が含まれる場合と、「接続助詞」が含まれる場合があるんです。
後者の場合は(文節として)接続語ではあっても、そこに接続詞は含まれていません。だから絶対に「接続詞=接続語」と覚えないでくださいね。
まとめ
では今回のまとめをもう一度ご覧ください。
今ならこれらの意味がしっかりと理解できましたね?
特に接続詞と接続助詞の違いは、そのまま品詞名のテストなら接続詞 or 助詞として全く異なる解答になるので、しっかりと区別できるようにしてください。
次回は、活用しない自立語の感動詞を説明します。
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感動詞と独立語の違いや間違えやすいものを丁寧に解説・品詞の分類9【中学国語文法】
中学国語文法の品詞で一番簡単とされる接続詞、その中での注意点や独立語との違いを現役塾講師のクボタが分かりやすく解説します!
それではまた!